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スーパー戦隊総決戦

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第二十話 戦いが終わってその十三

「応援はするブラ」
「あまり応援されているようには思えないがな」
「まあ別にいいわ」
 メギドもキメラもここでも落ち着いたものだった。
 そのうえでだ。敵達と共にジャシンカに戻るのだった。
「これでいいのかね」
「いいんじゃないの?」
「なあ」
 戦隊の面々は首を傾げさせながら話し合う。まだスーツ姿である。
「あの連中がいいっていうんならそれで」
「いいか」
「そういうことになるのね」
「戦いは終わった」
 パルジファルだけが冷静なままである。
「聖杯はこのまま私の手に戻った」
「ええ、どうしてお城の外に出ていたのかがわかりませんけれど」
「それはどうしてだったんですか?」
「何故だったんですか?」
「言ったと思う。聖杯は己の意志を持っている」
 ここから話すのだった。
「だからだ。時としてこれはと思った戦士達に試練を与える為にだ」
「ああいったことをするんですか」
「そうだったんですか」
「そうだ」
 こういうことであった。
「これでわかったな。そして君達は試練にうち勝った」
「何か色々ありましたけれど」
「そうしたことになるんですね」
「やっぱり」
「そうだ、君達は聖杯に認められた」
 パルジファルは彼等を見回してだ。このことも告げたのだった。
「見事だった。君達ならばだ」
「俺達なら」
「どうなると」
「この世界を守っていける」
 彼に告げた。しっかりとだ。
「例え何があろうともだ」
「何があってもですか」
「この世界をですか」
「守れると」
「君達なら何の心配もない」
 また話すパルジファルだった。
「私はこのまま聖杯の守護を続ける」
「最後の審判まで」
「その時まで」
「私の役目は永遠だ。だが最後のその時まで」
 また戦士達を見る。そうして。
「君達のことを見守っていよう」
「そうですか。じゃあこれでお別れですね」
「もう」
「短い間だったがな」
 パルジファルもだ。名残惜しい言葉になっていた。
「しかしだ。君達のことは忘れない」
「ああ、俺達もな」
「忘れない」
 戦士達は笑顔の言葉で返した。
「だからまた縁があればな」
「会いましょう」
「そうだな。また会おう」
 パルジファルは笑顔ではない。しかしそれでもであった。言葉は温かいものだった。これまでの謹厳さにそれが加わっていた。
「またな」
「それじゃあ今は」
「さようなら」
 こう別れを告げ合ってだ。彼等は別れた。戦いは今完全に終わった。
 そしてだ。彼等は変身を解いた。そこにであった。
「おめでとう」
「勝ったわね」
「これで遂に終わりですね」
「戦いも」
「ああ、来てくれたんだ」
 アラタは茂達の姿を認めて笑顔になる。
「皆、わざわざ」
「鏡のところからすぐに移動できたから」
「瞬間移動の魔法を使ったのよ」
「使ったのよ」
 ナイとメアがここで話す。
「スフィンクス様のそれをね」
「それをね」
「もっとそれを使わなくてもです」
「気が向いたらそこにいたりできるけれど」
 介さんと笑里は笑いながら身も蓋もないことを話す。
「ですが今はちゃんと魔法を使ってです」
「ここに来たから」
「だったらいいけれど」
「まあワープは結構皆してるし」
 戦隊の面々も何気にこんなことを言う。
「何はともあれこれで終わりかあ」
「後は。パーティーね」
「中華街行く?今から」
「そうするか」
 皆で話をする。そうしてであった。
 皆でその中華街に行くことになった。ここで茂が父に言う。
「お父さんは中華街に行ったことある?」
「横浜のならあるよ」
 天知博士は笑顔でこう我が子に答える。
「そこならね」
「そうなんだ。それじゃあ神戸はまだなんだね」
「だから楽しみにしてるんだよ」
 父親としての温かい笑顔であった。
「さて、そこで皆で乾杯しよう」
「そうだね、それじゃあね」
「中華街の食べ物ってかなり美味しいらしいけれど」
 料理上手のテトムが気にしているのはこのことだった。
「どんな味かしら」
「それは行ってみてのお楽しみ?やっぱり」
「そうよね」
「どれだけ美味しいかはね」
「行ってからかあ」
 こう話してであった。皆でその中華街に向かうのであった。何はともあれ戦いは終わった。戦士達は最後の宴を楽しむことになった。


第二十話   完


                         2010・6・7 
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