髑髏天使
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第四十九話 停戦その十九
「どう、それで」
「そうだな」
死神は目玉のその言葉に頷いた。そしてであった。
全身に力を込める。そこからだ。
白いオーラが沸き起こる。その中で言うのだった。
「その通りだな」
「わかるよね。下手に探さずにね」
「周りを攻撃するべきか」
「そういうこと。蜘蛛の巣みたいにな」
「よくわかった。それではだ」
死神はそのオーラを放った。まさに四方八方にだ。
それを見てだ。神の声がしてきた。
「そう来たんだ」
「そうだ。貴様を探すのに見回すにしてはだ」
それはというのであった。
「こうして周囲に糸を張ればだ」
「そうしてだな」
「そうだ。こうして見つけ出す」
まさにそうするというのである。
「蜘蛛の巣でだ」
「そして見つけ出してだね」
「貴様を倒す」
死神は言い切ってもみせた。
「こうしてだ」
「面白いね。見つけ出したらそれで勝てるかな」
「勝てる。必ずだ」
こうしてだった。オーラが突き刺してだった。神の姿を見せたのだった。
神はその犬の姿を見せてだ。そうして言うのだった。
「見つかったみたいだね」
「さて、これでよしだな」
死神は光の中心からその神を見据えて話した。
「姿は見つけた」
「ではだ」
それまで様子を見守っていた髑髏天使の言葉である。
「倒すとするか」
「やれやれ。気楽だね」
「気楽と言うか」
「そうだよ。だってね」
神の姿が変わった。何とだ。
これまでの五倍は大きくなりだった。そうしてだった。
髑髏天使と死神にだ。また話してきた。
「さて、大きくなればどうかな」
「姿を隠すまでもない」
「その大きさならか」
「そうだよ。倒せるよ」
まさにそうだと言ってだ。そしてである。
あの青い液を滴らせてだ。そのうえで二人に突進してきたのである。
だがそれに対してだ。髑髏天使と死神は身構える。そしてだった。
死神はだ。こう言うのだった。
「例えどれだけ大きくともだ」
「そうだな」
髑髏天使が彼のその言葉に頷く。
「姿が見えればだ」
「どうということはないな」
「倒せる」
「それも確実に」
それぞれ両手の剣に鎌を構えて。顔を見合わせたうえでそれを投げた。
大鎌が神の右肩に刺さった。二本の剣は左肩に。それぞれ刺さった。だがそれを受けてもだ。神は全く動じずに突進しながら言うのであった。
「何でもないね」
「この程度ではか」
「どうでもないか」
「うん、ないよ」
実際にそうだというのであった。
「まさかこんなことで僕を倒せるなんて思ってないよね」
「そうだな。確かにな」
「その程度ではな」
二人もそれを言う。
「大鎌だけでは貴様を倒せはしない」
「俺の剣でもだ」
「それじゃあ何で今こうしたのかな」
「知れたことだ。それだけではないからだ」
「だからだ」
二人の言葉が変わった。
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