髑髏天使
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第四十八話 妖神その十三
「学校にもいるよ、そういう娘」
「部屋に入れば滅茶苦茶か」
「うん、ゴミとかあちこちに一杯あって」
それでどうなっているかだ。さらに話すのだった。
「もう足の踏み場もない位なの」
「ベッドの周りまでそうなってだな」
「っていうかベッドの周りが一番酷くてね」
「それは絶対に駄目だ」
牧村の言葉は完全な否定だった。
「何があろうともな」
「そこまで言うんだ」
「奇麗にしておかないと色々と問題が起こる」
「問題って極端じゃないの?」
「ゴキブリや鼠が出たら問題だと思うが」
「まあ言われてみればね」
そう言われるとだった。未久も頷く。流石にゴキブリや鼠が出ると聞いてはだ。彼女もこう考えて言うしかないことだった。
それでだ。ドーナツをもう一個食べながら話すのだった。
「その通りね」
「だから食べかすは落とすな」
「わかったわ」
あらためて兄の言葉に頷くのだった。
「じゃあそういうことでね」
「そうしろ。それでだが」
「うん、お兄ちゃんの分のドーナツよね」
「置いておいてくれ」
画面を見ながら話すのだった。
「その辺りにな」
「ベッドの上は駄目?」
「そこは駄目だ」
すぐに否定で返すのだった。
「若し落としたら後が面倒だ」
「だからなのね」
「そういうことだ。このゲームが終わってから食べる」
「飲み物は?」
「自分で入れる」
そうするというのだった。
「紅茶でもな」
「コーヒーにはしないの」
「夜に飲むと眠れなくなるからな」
「まあそうだけれどね」
「だから紅茶だ」
「それも薄いのね」
「濃い紅茶も眠れなくなってしまう」
この辺りが難しいのだった。カフェインのせいである。
「だからそうする」
「じゃあさ。ティーパックでね」
「それでだな」
「そう、私が先に使って後のでいいよね」
「そうしてくれるか」
「じゃあ食べ終わったら入れてくるね」
また兄に話す。
「そうするね」
「悪いな」
「いいわよ、そんなの」
それはいいというのだった。
「気にしないでよ」
「そうか」
「そうよ。別にいいから」
「自分も飲むからだな」
「そういうこと」
兄の今の言葉に応えてだ。未久は楽しそうに笑ってもみせた。
そうしてであった。また言う彼女だった。
「そういうことでね。後で紅茶ね」
「カップは何でもいい」
「何でもいいの」
「陶器のものなら何でもいい」
「じゃあお湯飲みでいいわね」
兄の言葉を逆手に取って言ってみせたのだった。
「日本ので」
「それは駄目だ」
「何でもいいって訳じゃないじゃない」
「カップと言った」
牧村はそこに重点を置いて述べたのだった。
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