髑髏天使

「こうして遊ぶ方がね」
「楽しいとさえ思う時が出て来た」
「具体的には今ね」
「この時だな」
「遊びか」
　牧村が言った。
「貴様等が遊ぶのか」
「うん、そうだよ」
「それがおかしいか」
「戦い以外のことを楽しむのか」
「そうなってきたよ」
「この時代に来てな」
　魔神達はまた話してきた。
「そういうことだから」
「わかったか」
「話は聞いた」
「しかしわかってはいないかな」
「そういうことだね」
「信じられないと言っておこう」
　これが牧村の彼等への返答だった。
「戦いしか見ない貴様等がそうだと言ってもな」
「まあそうだろうね」
「魔物、とりわけ魔神ならな」
　そうなるというのだった。彼等もそれを話す。
「戦いしか楽しめないし見ないからね」
「これまではだな」
「そうだな。それはだな」
　また話す彼等だった。牧村も魔神達の話を聞く。
　そうしてだった。博士も加わってきた。
「まあ今は戦わないのじゃな」
「うん、そういうこと」
「我々は嘘は言わない」
　これは確かだった。魔神は嘘は言わない。それは彼等の誇りによるものだった。
　そしてであった。博士もそれを聞いて言うのであった。
「それならばよいがのう」
「そういうこと。君と戦うよりも大変なことがあるしね」
「妖魔との戦いもあるからな」
　子供と青年はこのことも言ってきた。妖魔とのこともだ。
「僕達が戦っていてそこに来たらね」
「話にもならないからな」
「戦略もあるのか」
　牧村がその話を聞いて悟った。
「それでか」
「うん、それでなんだ」
「だから今はそれはしない」
　また言う彼等であった。
「とにかく今は戦わないから」
「安心することだ」
「戦わないのはわかった」
　牧村も完全に納得して頷いた。
「ではだ。今はだ」
「また会おうね」
「花を見させてもらおう」
　彼等はこうそれぞれ言ってその場を後にする。そこまで見てだった。
　妖怪達がここでひそひそと話をはじめた。その内容は。
「とりあえずだけれど」
「どうしよう、これから」
「ここで遊ぶ？」
「そうする？」
「魔神達がいるけれど」
　それぞれ怪訝な顔になって話をするのだった。
「別に戦わないっていうしね」
「それだったらいいんじゃないかな」
「ううん、けれど魔神がいるなんて」
「物騒だしね」
「そうだよねえ」
「何、戦わないというのならいいじゃろ」
　博士はその彼等にこう話すのだった。
「それならな」
「いいんだ、それで」
「それならってことで」
「別にいいんだ」
「それなら」
　こう話してだった。妖怪達も納得した。
　そうしてそのうえで彼等は魔神達のいるブランコやチューリップの花壇に向かった。そうしてそのうえでそれぞれ楽しむのであった。