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髑髏天使

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第四十七話 神々その十九


「これはだ」
「これも神の力だね」
「そういうことになるな」
「僕達も神だけどね」
「生憎こうした力はない」
 死神は感情のない言葉で述べた。
「我々にはな」
「何かそれ、悔しいよね」
「別に困ることはない筈だが」
「まあね」
 目玉もそれは認めた。
「別に空間を変えなくてもね」
「普通にやっていける」
「だからね。まあ確かに今は羨ましいって思ったけれど」
「考えてみればそうでもないな」
「実際にはね。それでだけれど」
「うむ」
「力、使う?」
 目玉は死神に対して問うてきた。
「力。それはどうするの?」
「今はまだいい」
「いいんだね」
「特にな。今は必要ない」
「じゃあ今は隠れておくね」
「ここはあの力よりもだ」
 海の中の岩が一斉に動いてきた。死神はそれを見ながら目玉に話す。
「あの神を倒すことだが」
「どうするの、それは」
「奴を倒すにはだ」
「うん、それは」
「致命傷を一撃で与えることだ」
 鋭い目での言葉だった。
「それこそがだ」
「この戦いに勝つことになるね」
「そういうことだ。だからだ」
「あの力は必要ないね」
「今はスレイプニルはいい」
 また言う死神だった。
「それよりもだ。やはり」
「一撃で、だね」
「その通りだ。いいな」
「うん、じゃあこの戦いは休んでいていいね」
 目玉は落ち着いた声で死神に対して述べた。
「そういうことだね」
「その通りだ。それではだ」
「じゃあね」
 目玉は姿を消した。その瞬間に無数の岩達が死神と髑髏天使を襲う。二人はそれを海中を舞うことにより上下左右にかわすのだった。
 そうしながらだ。髑髏天使が言う。
「海の中での戦いはだ」
「不利だと言うのだな」
「奴の土俵だ」
 だからだと言うのだった。
「そこで戦うとなればだ。やはり」
「我々が不利だな」
「それをどうするかだ」 
 死神に対して言う。今も前から岩が来たがそれは剣を一閃させて断ち切った。
「こうするだけではやがて限界が来る」
「時間も奴に味方しているな」
「何度も言うがここは奴の土俵だ」
 髑髏天使は今は目の前に立つ神を見ている。彼は動きはしない。しかしその周りの岩達を念力で次々に動かしてだ。それを向けてきているのだ。
 その岩達をかわし断ち切りながらだ。髑髏天使は言うのだった。
「それでどうするかだ」
「一撃で決めるべきだな」
 死神は目玉に言ったことを彼にも告げた。
「ここはな」
「一撃か」
「そうだ、一撃だ」
 また言ってみせる。
「それで決めるべきだ」
「そういうことだな。それではだ」
「うむ。それではだ」
 お互いに言い合ってだった。
 死神が髑髏天使に対して問う。
「あれを使おうか」
「サイドカーか」
「そうだ、それを使うべきだ」
 こう髑髏天使に対して言うのである。 
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