髑髏天使
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第四十七話 神々その一
髑髏天使
第四十七話 神々
博士はだ。また牧村と話をしていた。今はうどんを食べている。
うどんといっても博士の知り合いの家でだ。夏だが鍋でうどんを食べているのだ。
かなり巨大な鍋で妖怪達も一緒である。妖怪達はそのうどんを食べながら汗だくなってだ。そのうえで博士にこんなことを言うのだった。
「いや、夏にうどんもね」
「いいよね」
「暑い時は汗をかくのもよし」
「そういうことだね」
「そうじゃ。だからなのじゃよ」
博士も鍋からうどんを取って自分の茶碗の中に入れてどんどん食べている。そうしながらの言葉だった。
「うどんにしたのじゃ」
「しかも唐辛子もたっぷりかけて」
「それでだよね」
「うどんすきにしたんだね」
「そうなんだね」
「その通りじゃよ。うどんはいいものじゃ」
博士も汗をかいている。その白く多い髭がだ。汗だくになっている。
その汗だくになっている顔をそのままにしてだ。さらに食べていく彼だった。
そして食べながらだ。博士はこうも言った。
「それでうどんじゃが」
「これだよね」
「うどんのことだよね」
「そう、それじゃ」
今食べているそのうどんのことも話す。見ればだ。そのうどんは何処か四角い。そしてやけに固いものに見えるものであった。
そのうどんを食べながらだ。博士は言うのだった。
「このうどんはどうじゃ?」
「これって冷凍うどんだよね」
「それだよね」
妖怪達もだ。それぞれの箸でそのうどんを自分達の茶碗に入れていって食べながら話す。食べるその傍からうどんが鍋に入れられていく。
「これってそうだよね」
「凍らしてるんだね」
「これが中々いいのじゃよ」
博士は汗をかきながらもほくほくとしている。
「かなりのう」
「味、かなりいいね」
「それにコシもあるしね」
「いい感じだね」
「美味しいよ」
「冷凍うどんは馬鹿にできんものじゃ」
まさにそうだというのである。
「だからじゃよ。今日はこれにしたのじゃ」
「成程ね」
「そうだったんだ」
「そうしたんだ」
「そうじゃ。それでなのじゃよ」
博士の話ではそうであった。
「冷凍うどんは美味いからのう」
「ただ茹でるだけなのにね」
「それでも下手なお店のうどんより美味しいって」
「凄い食べ物だね」
「これって」
「美味いものは何処にもあるのじゃよ」
そうだという博士だった。
「何処にでもあるのじゃよ」
「そうだな」
ここでだ。牧村はここでははじめて言った。そうしてだ。
彼もまたうどんを食べる。そのうえでの言葉だった。
「冷凍うどんは美味い」
「ふむ、君もわかるか」
「味はわかる」
そうだとだ。彼も言った。
「自信がある」
「それは何よりじゃな」
「このうどんはコシが中々なくならないしな」
「それもあるからじゃ。冷凍うどんはいいのじゃ」
またこう言う博士だった。とにかく冷凍うどんを褒める。
「暇な時は夏でも冬でもこれじゃよ」
「博士ってとにかく好きな食べ物多いよね」
「そうだね」
妖怪達は博士のこのことも話した。
「お菓子だって好きだしね」
「カレーだってそうだし」
「とにかく何でも食べるし」
「しかも残さないし」
このことも加わるのだった。
「だから長生きしてるんだね」
「そうなるかのう」
それを否定しない博士だった。
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