髑髏天使
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第四十五話 新生その十四
死神もだった。右手を拳にして己の胸の前に置いた。そうしてだった。
二つの光が起こりだった。彼等は姿を変えた。
髑髏天使になり戦う姿になった。右手が握り締められ鎌が一閃された。
そのうえでだ。それぞれその妖魔を見据えるのだった。
「クームヤーガか」
「そう言ったな」
「如何にも」
馬の頭から人間の言葉が返って来た。
「その通りだ」
「馬が人の言葉を話す」
「それには最早驚きはしない」
「では何に驚く」
「何にも驚きはしない」
これが死神の返答だった。
「貴様等のことにはだ」
「そうなのか」
「そうだ、驚きはしない」
死神はまた妖魔に返した。
「でははじめるとするか」
「最初からそのつもりだ。それではだ」
「来い」
髑髏天使も言った。
「貴様もまた倒す」
「俺もか」
「そうだ、倒す」
また言う髑髏天使だった。
「必ずな」
「俺はかつてこの言葉を多く聞いてきた」
「戦いの中でか」
「俺もまた混沌の中にいる」
妖魔に相応しい言葉だった。それを言ってからだ。
「その中で戦ってきたのだ」
「同族同士でか」
「妖魔は同族では戦わない」
それはないというのだ。
「混沌の中で出て来たまつろわぬ存在とだ」
「そうした者達とか」
「戦いそして聞いてきた」
こう髑髏天使に言うのである。
「そうした言葉をな」
「それではだ」
死神がその妖魔に問う。
「その者達をどうしてきた」
「答えは聞くまでもあるまい」
これが妖魔の返答だった。
「それだけだ」
「そうか」
「では貴様等もだ」
倒すと。妖魔は言った。
「倒してやろう」
「その言葉確かに聞いた」
まだいる男の言葉だった。
「それではだ」
「はい、この戦いお任せ下さい」
「見させてもらう」
男は姿を消しながら妖魔に告げた。
「楽しくな」
「ではナイアーラトホテップ様」
妖魔は男のその正式な名前をここで出した。
「私めの戦い、御覧になって下さい」
「では私はその戦いの後でだ」
「はい」
「私のやるべきことをするとしよう」
こう言った時だった。既に黄金の姿になっている髑髏天使が男に問うた。
「待て」
「何だ」
「今やるべきことと言ったな」
「それがどうかしたのか?」
「それは何だ」
問うのはこのことだった。
「それは一体何だ」
「前にも言ったな。私は封印を解く者だ」
「その混沌のだな」
「如何にも。この世に出す存在は六つだ」
「六つか」
「地水火風」
まずはこの四つを話に出した。
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