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髑髏天使

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第三十六話 日常その九


「どうも思ったよりもじゃ」
「ヒエログリフも知っているのではなかったのか」
「エジプトの象形文字の解読は慣れておるつもりじゃ」
 博士はこのことも言った。
「何十年もやってきておるしな」
「それでもか」
「うむ、かなり昔のことを書いておるしのう」
 博士はここで腕を組んで述べた。
「それにじゃ」
「それにか」
「書いておる内容もやたら難しいのじゃよ」
「そこまでなのか」
「じゃから少し待ってくれ」
 こう牧村に放した。
「少しのう」
「わかった。ならそうさせてもらう」
「悪いのう。しかしじゃ」
「しかしか」
「髑髏天使はまだまだ謎が多いのう」
 こうも言う博士だった。
「もうそろそろ終わりかと思ったのじゃがな」
「そういうわけにはいかなかったか」
「階級も九つだけではないのか」
 博士はこのことも述べた。
「まだあるとはのう」
「それは俺もだ」
「思いも寄らなかったのじゃな」
「九つだけだと思っていた」
「うむ、その上となるとじゃ」
「わからないな」
「じゃから少し待ってくれ。調べておく」
 そしてこのことも話すのだった。
「妖魔のことものう」
「妖魔もか」
「何かさ、妖魔っていうとね」
「そうだよね」
「嫌な予感しない?」
「確かにね」
 妖怪達もこの妖魔という名前には不吉なものを感じていた。それでこうそれぞれ言うのであった。
「これはかなりね」
「まずいなんてものじゃないだろ」
「正体がわからないんだし」
「だよねえ」
 妖怪達の言葉もいつもと違っていた。
「だとするとどうかな」
「敵を知り己を知ればだし」
「それに魔神だって」
 魔神の話も出て来た。
「確か十二柱だったっけ」
「今十一柱だから」
「残りは一柱」
「それって誰?」
「うむ、そちらはもうすぐわかる」
 博士は魔神についての返答はすぐであった。
「じゃから安心するのじゃ」
「そうなんだ。それはなんだ」
「だったらいいけれどね」
「よかったよかった」
 妖怪達は博士の今の言葉を聞いてまずはほっとしたのだった。
「魔神と魔物も何とかしないといけないし」
「戦って勝たないとね」
「そっちの問題もあるしね」
「いや、それはどうかのう」
 だがここで博士が言ってきた。
「君達は妖魔に対して嫌なものを感じておるな」
「うん、そうだよ」
「それはね」
 妖怪達はすぐに博士に対して答えた。
「もう本能的にね」
「それは感じているけれど」
「魔物達も同じかな」
「そうかも知れぬ」
 こう答えるのだった。
「元は君達と同じじゃからな」
「だからだとすると」
「どうなるのかな」
「三つ巴になるの?」
「そう考えるのが一番妥当じゃがな」
 また言う博士だった。 
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