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髑髏天使

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第三十二話 変貌その十三


「近付いているな」
「さらに」
「何がだというのだ?」
「やがてわかる」
「貴様自身にもだ」
 今はこう言うだけであった。
「やがてだ」
「しかし間違いなくだ」
「何を言っているのかはわからないがだ」
 髑髏天使はその言葉はまずは捨て置いた。
「しかしだ」
「闘うか」
「まだ」
「そうだ。俺は闘う」
 あくまでそうするというのだった。
「その為にもだ」
 そしてまた言った。
「ここで倒させてもらおう」
「よかろう」
「ならば来るがいい」
 魔物達も再び攻撃に入った。
 また糸と鎌ィ足が迫る。しかしであった。
「一度見た攻撃はだ」
 髑髏天使は前と下から来るそれぞれの攻撃を冷静に見極めていた。
「通用しない」
「通用しない?」
「そうだというのか」
「そうだ」
 こう言ってであった。髑髏天使は不意に動いた。
 ただ動いただけではなかった。相当な速さであった。
 凄まじい動きで上下左右に動き。凄まじい量の光の矢を放ったのだった。
「受けるのだ」
「くっ、この矢は!?」
「かわしきれない!?」
「ただ攻撃を放つだけではない」
 動き回り攻撃を放ち続けながらの言葉であった。
「こうしてだ」
「攻撃をか」
「それをすると」
「さて、死ぬのだ」
 これが今の彼の言葉であった。
「今こそだ」
「くっ、これは・・・・・・」
「駄目か」
 彼等はかわしきれずその無数の矢に貫かれてしまった。それで終わりであった。
 それぞれ青白い炎に包まれていく。最後であった。
 そしてだ。髑髏天使は身体の動きを止めていた。そのうえでだった。
「この通りだ」
「己、何という速さだ」
「動きだけではないのか」
「速さと技だ」
 髑髏天使の言葉だった。
「それを使ってだ」
「そういうことか」
「それにしてもだ」
 魔物達は青白い炎に包まれながらだ。そのうえで髑髏天使を見ていた。見ればその目がだ。彼等は彼のその目を見て言うのであった。
「貴様に聞きたい」
「いいか」
「聞きたいことがあるのだ」
「そうだ。今の貴様はだ」
「どう思っているのだ?」
 こう彼に問うのであった。
「闘いについてだ」
「それはどうなのだ」
「闘いにか」
「そうだ、それについてはだ」
「どうなのだ?」
「そうだな」
 言葉がであった。微かに笑みが入っていた。しかし彼はそれを自覚することはなかった。だがこうした言葉を出してしまったのだ。
「悪くはない」
「ふふふ、言ったな」
「今な」
「確かにな」
「言った?何をだ?」
 言ったところでそれに気付かない彼だった。
「俺に何がある」
「気付かないならいい」
「やがてわかる」
 魔物達は青い炎に囲まれながら話していく。 
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