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SAO─戦士達の物語

作者:鳩麦
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SAO編
  二十四話 It`s show time

 結局あの後、俺は更に三人のプレイヤーを殺る事となった。
そこまでいった時点でやっと、オレンジ側の戦線に崩壊の兆しが見えたのだが、同時に、とある三人のプレイヤーをあぶり出すことにもなってしまった訳で……

「で、お前らが出て来た訳か?」
「だいぶ、暴れて、くれたな」
「つか余裕ブチかましてんじゃねぇぞコラァ!」
「はぁ、相変わらず個性全開なことで……」
 今俺の目の前には、二人の黒尽くめオレンジプレイヤーが立っている。

 一人は、黒革ブ―ツに黒い細身の革パンツとやっぱり黒のレザーアーマー(身体に密着するピチピチタイプ)に武器は小型のダガー(毒付き)言う、何処ぞの潜入工作員のような格好に、何故かよく分からん袋を頭にかぶり(俺には外国とかで買い物に使う茶色くて長方形の紙袋を子供が面白がって被ってるように見える。)、眼の部分だけ丸くくり抜いて前を見れるようにしてあるという、窒息するんじゃないかと心配になるような恰好の男。

 もう一人はやや小柄な男。運動してんのか此奴、と言いたくなるような細い体に、身体と同じく、非常に細く長い針剣《エストック》と呼ばれる武器を持っている。恰好は灰色のぼろきれの様なフード付きマントを纏っていて、それには深紅の逆十字があしらってある。
顔にはどくろを模した様な仮面をかぶっており、暗い眼窩からは、赤く小さな光が漏れていた。口の部分は隠れていないのに、素の呼吸でしゅうしゅうと細い呼吸音を響かせているあたり、やっぱり不健康な奴だ。

 こいつ等はそれぞれラフコフの三人の幹部プレイヤーの内の二人だ。
袋をかぶった奴が、《ジョニー・ブラック》
赤い瞳の奴が、通称で《赤眼のザザ》
格好こそふざけているが、こいつらも俺と同じく、今までに両手両足の指では足りないほどのプレイヤーを殺してきた殺人鬼である。

「つーか、お前らはっきり言って俺としてはどうでもいいから。どけ」
「悪いが、それは、できない」
「そもそも言われてどくとでも思ってんのか?なめてんのかテメェ!?」
「お前は少し落ち着きを持って声のボリュームおとせジョニー。いちいち声でけぇんだよ小学生かお前は」
「んだとゴラァ!!?」
「……人の話聞いてたか?」
 ザザは寡黙で途切れ途切れに話すから、正直聴き取りづらいがまだ良い。
だが、逆にジョニーは興奮しやすく、すぐ声が大きくなるので、はっきり言えばうるさい。
まったく……まともにしゃべれる奴は居ないのかね?

「ま、いいや。んじゃ殺るか……ね!」
 最後の声と共に思いっきり地面を蹴って低空で一気に距離を詰める。
これできるまでにどれだけ練習した事か……

「っ!」
「うおぉ!?」
「覇っ!」
 冷裂の切っ先を向けたまま突っ込み一気に突きこんだ一撃を左右に避けた二人を無視して通過し、それぞれ左右後ろに付かせる。当然ながら、二人は素晴らしい反応速度で俺の後ろから接近。ザザは鋭い突きを放ち、ジョニーは接近戦用の小型ダガー(勿論毒付き)で切りかかって来ようとするが、

「打ラァ!」
 俺は右後方に居るジョニーへと、左足と両足で身体を支えた状態から黄色いライトエフェクトを纏った右足をサッカー漫画のシュートシーンのごとく後ろへ跳ね上げ、蹴り上げを放つ。
足技 単発技 逆月《さかづき》
凄まじい筋力値と共に跳ね上げられた右足は、俺へ届く寸前だったジョニーの右手へと当り、持っていたダガーを弾き飛ばす。

「なんだと!?」
「!?」
 後方への攻撃手段があると思っていなかったのだろうか?(まぁ予想はしてただろうが)驚いた声を上げて後ずさるジョニーの右手は粉々に吹き飛んでいるが、ザザは俺の攻撃の初動を見て咄嗟に小さくバックステップして距離を取っていたらしく、被害を受けては居ない事が逆さまに後ろを見て確認出来た。だが、

「そこは射程内だ……ぞ!」
 即座に逆月の硬直から立ち直ると今度は足を素早く下ろし、その勢いのまま、少々右足を前に出して体を捻って、冷裂を左から横一線に振り抜く!

「……!」
「甘ぇよ!」
 振るわれた冷裂は、縦に構えたザザのエストックにブチ当たり、ザザを吹き飛ばす。が、そこはそれなりに対人戦闘の経験のあろうザザである。後ろへと飛んで、少しでも衝撃を逃がしたようだ。

 ちなみに、SAOの物理エンジンは中々どうしてこういう所では優秀で、戦闘に置いてはこのような細かいテクニックも十分に通用する。

 ザザの対応は見事だが、それだけでは終わらない。
なんとジョニーに至っては足を曲げることで姿勢を低くして薙ぎ払いを避け、此方に向かって左手で投擲用ダガーを投げつけて来たではないか!

「うおっと!」
 冷裂の後ろ側を持っていた左手を下に向かって押し出し、指先を使って冷裂を回転。身体の左側に回っていた右手を戻すようにして移動させ、跳んできたダガーを弾き飛ばす。

 ……まぁ何と言うか、曲がりなりにもシステム上の重さは1tあるはずの物体を、指先で振り回せるあたり、俺の筋力値も化け物じみて来たもんだと思う。

 そして今度は此方の番とばかりに足技を起動。冷裂の回転を地面と水平の状態で止めると、右足を大きく曲げて姿勢を低くし、冷裂を持ったまま右手で身体を支えつつ、不安定な下半身に身体の右前に突き出した左足を再び右から左へ振るようにして足払いの下段蹴りを一発。

「そら、よっとぉ!」
足技 単発技 地月(じづき)
 ギリギリでジョニーはそれをバックステップで避けるが、無理な体勢で避けたため大きく体制を崩す。

「クソがっ!」
「割れろ、紙袋野郎!!」
 地月の勢いから一気に冷裂を振り上げつつ立ち上がり、そのまま振り下ろしてジョニーを真っ二つにしようとする。が、

「……!」
「あぶっ!」
 横から突き出されたザザのエストックが俺の顔面を貫こうと迫ったため、俺は攻撃中断を余儀なくされた。顔を咄嗟に首を後ろに反らして避けたは良いが、ちらりと見えたエストックにはピンクっぽいライトエフェクトが纏われていた。と言う事は……追撃が来る!

「死ね」
「断る!」
 死ねと言われたからと言っておとなしく喰らうほど阿呆では無い。
突き出された二撃目を、自慢の筋力で後ろへと飛んで距離を取ることで回避。何とか事なきを得た。

 取りあえずは一区切り。さてさて?

「で、抵抗しない気になったか?お兄さん方」
「なめた、事を、言うな」
「ふざけんなテメェ!つか不意打ちとか卑怯な真似しやがって!」
「複合技《スキルコンボ》使ってまで不意打ちしたお前が言うな」
「ん?」
「あ?」
「?」
 最後の声は俺では無い。
目の前の二人のうちのどちらでも……

「ぬおあ!!」
 直後、俺達の立っている位置から右側。ちょうど、全員の死角となっている位置から長大なランスが飛び出し、ジョニーに向かって空気を押しのける様な低い音と共に突き出された。
ジョニーは危うい所でそれに気付き、ギリギリで身を引いたが、余波により少々HPバーが減る。
同時に俺の目の前に一人の男が現れる。

 青に銀の装飾が入った高級そうなフルプレートアーマーに身を包み、両手で二メートルはあろうかと言う先程のランスを持つその男は、以前、とある事件で俺達と変な縁を持った男だった。

「これはこれは……DDAのトップ壁戦士《タンク》に護って貰えるたぁ光栄だね」
「ボス戦の時のアンタほどじゃ無いさ、リョウさん」
「謙遜しなさんなよ、シュミットさん?」
「ははは」
 突然の乱入者たるこの男、名はシュミット。
攻略組最大の規模を誇るギルドDDA《ディヴァイン・ドラゴンズ・アライアンス》こと聖竜連合の幹部で、攻略組有数の壁戦士《タンク》としてボス戦でも活躍する男だ。
特に最近はやけに腕を上げて来た。

「おい、オイオイオイ!いきなり出てきやがって何だテメェ!」
「外野は、引っ込んで、もらおう」
 なんか目の前のオレンジ二人がギャーギャー言ってるが、シュミットは毅然とした態度で答える。

「残念ながらそうもいかない。お前らにはこっちとしても借りがある」
 それに、あいつらとの約束も有るんだ。
そう、小さく嘆くとともに、シュミットは再びランスを持ち直し此方を見ずに言う。

「ここはオレが抑える、アンタはあいつを頼む」
「おいおい、幾らタンクっつったってこいつ等二人を一人は──「一人じゃないぞ」んあ?」
 再び突然。今度は後ろからした声に俺が軽く振りかえると、後ろから見慣れた黒衣の剣士が跳び込んで来た。
それを見たザザが、不快そうに目を細める。

「また、お前か、《黒の剣士》」
どうやら俺と戦闘する以前に何かがあったようだ。
しかし今はそれを聞いている時でも無いので、ザザは無視しておれはキリトと話し始める。

「おやまぁ……お前まで来たのかキリト」
「あぁ。此処は俺ら二人で抑える」
「……いいのかよ?」
「まぁ、上手く殺さずにしとめるくらいはやって見せるさ」
「ほっほお?さっきのネガティブキリト君は何処いったんだ?」
 余裕しゃくしゃくな様子で言うキリトに俺はからかうようにそんな事を言うと、案の定キリトは言葉をつまらせた。

「う……色々ふっ切ったんだよ!良いから!兄貴はあいつの相手行ってくれ」
「っは、んじゃまぁ任せますかね?」
 そう言って身をひるがえし、件の「アイツ」の所に行こうとすると再びイラついた声が背中に投げつけられる

「あ、待てコラ!」
「逃がすと、思うな」
「残念ながら、待てと言われて待つほど素直じゃねぇし、それに」
「「お前らの相手は(オレ)だ!」」
 そう言ってシュミットはジョニーに突きを、キリトはザザに切りかかる。
二人が避け、或いは受ける事に集中したため、俺はその隙を逃さず一気にオレンジの集まる部分の後方を目指して跳ぶ。

さて、行こうか。

────

「死にやがれぇ!」
「この野郎がぁ!」
 後ろから俺の頭を真っ二つにしようと赤紙で平べったい髪型の男の曲剣が振り下ろされ、正面からは胴体をぶった切りたいらしい鉄鎧の男が振う戦斧が横薙ぎに迫る。が、

「ふっ!」
 俺は身体の横で冷裂を手首を使って一回転させる。
これが俺の基本的な防御法だ。
原則的に、敏捷値の低い俺は咄嗟に武器を動かし、敵の攻撃線上に武器を置いて武器防御。と言う事が非常に苦手である。

 ならばどうするか、俺の武器である冷裂は薙刀、即ち長物だ。
それが何を意味するかと言うと、まぁ攻撃等の範囲が広い。同様に、回転させたりすれば、それによって広範囲の防御をカバーする事も出来る。
 で、言ってしまえば回転させるだけならば殆ど、手首の動きや指先だけでも可能なわけで、しかも俺はこの動作が何故かやたら得意で、振り回しても殆ど冷裂を落とさない。
自分でも不思議に思っていたのだが、以前キリトに聞いたら、『小さいころからモップとか振り回すの大好きだったろ兄貴』とか言われた。
恐るべし、子供時代の俺。

 そんなこんなで、俺は殆ど不便なく冷裂を振り回す事が出来る。しかも冷裂の重さは1t。それがすさまじい速さで回ると言う事は……

「うおっ!」
「のあぁ!」
 当然、元々の回転の力+冷裂自体の重さによって増大した回転速度から来る遠心力その他による威力の上昇により、大体は打ちこんで来た敵の武器が軽々と弾き返される。

 今回も然り。甲高い金属音と共にオレンジ二人の武器は軽々と弾かれた。
で、当然ながらその隙を逃しはしない。

「疾ィ!!」
 無理矢理回転を止めた冷裂をオレンジのライトエフェクトと一緒にノックバックで動けない正面の斧戦士の胸の中心に向かって突き出し……

「勢やぁ!」
 突き出した右手の勢いを利用して身体を捻り、後ろの曲刀使いを顔面を濃い赤色のライトエフェクトを纏った左足の踵で蹴り飛ばす。

薙刀 単発技 空突《くうとつ》
足技 初級単発技 逆鎌《さかがま》
 少し危なかったので小さく息を吐く。と、冷裂が突き刺さったままの斧使いが何か口をパクパク動かしているのに気が付いた。
どうやらタンクらしく、HPは削りきったがまだ減り終わっていないらしい。

「い、いやだ……死にたく……」
「今更遅いわ」
 そう言って冷裂を引き抜くのと同時に、男はポリゴンとなって砕け散った。ちなみにうろに居た男は頭吹っ飛ばされてとっくに居ない。
これで……

「十八人……か」
 まったく、殺人鬼もいい所である。どっちがレッドプレイヤーなんだか分からない。
まぁ、性質が悪いのがどっちかは分かりきっているが。

────

「wow……随分と派手にやってるなおい」
 ある意味では待ち望んだ……英語交じりのラッパーじみた台詞が聴こえたのは、そんな事を考えていた時だ。

「お前に言われても皮肉に聞こえるなぁ……喋り方からしてお前の方が目立つだろ」
 ちょっとした皮肉に同じく皮肉で返すと、目の前の艶消しの黒ポンチョを被ったそいつはかろうじて見える口元に薄ら笑みを浮かべてこう返して来た

「Ha……人の主義にはあんま口出さないもんだぜ boy?」
「いや、この歳の人間をボーイと呼ぶかお前は」
「俺から見りゃまだガキってな」
「うわ、ちっと傷ついたわ……まぁ良いや。また会えて嬉しいよ。PoH(プ―)」
「オレもだ。broski《兄弟》」
 それが俺、リョウでは無く、刃《ジン》としての俺と、レッドギルド[笑う棺桶 《ラフィン・コフィン》]リーダー《PoH(プ―)》との、久々の再会だった。

────

 これも、過去の話だ。

 と言っても、これはSAO自体がまだ発売していなかった頃。大体、その三年くらい前の話だ。
丁度、リョウの母親が死んだ。その年の、年明けから春休みにかけての話である。

 巨大なネット上の一部。
某巨大掲示板の一角等で、その年の昨年末にとあるMMOのアクションゲームが話題にのぼった。

 タイトルは英語だが意味は明快

「The killer」

 その頃普及し始め、ナーヴギアが発売しなければ恐らく今もハードの中心としてゲーム業界を引っ張っていたであろう。HMD《ヘッド・マウント・ディスプレイ》を使用する、MMOサバイバルゲームであった。

 「The killer」は、とにかくリアリティのあるグラフィックを主眼に置いて開発されたゲームだった。
ソフト開発の大元はアメリカのとあるゲームソフトではマイナーな会社だったが、配信前に公開された情報の中にちらちらとみられたゲームの映像は、ユーザーの興味を引き付けるには十分であったためユーザーの期待値は、それなりに高かったと言って良い。

 そして年明け、「The killer」はネットから日本各地でプレイされ始めた。


 ……結果から言おう。
「The killer」は三か月で配信停止せざるを得なくなった。

 原因は、ゲーム自体の不具合では無い。
バグは殆どと言っていいほどなかったし、未帰還者がでた訳でもない。
原因となったのは、プレイしたユーザーの精神及び健康上の被害。

 そもそも、「The killer」のゲーム上での基本ルールはこうだ。

「一定の大きさのフィールドに、プレイヤー十数名~数十名を押しこめ、フィールド上に存在する武器を使って争い、最後に生き残ったプレイヤーを勝者とする」

 要は、電子の世界での疑似的な「殺し合い」である。
素手でも、フィールド上の武器を使ってもよし。ルールは唯、生き残る事のみと言う、とても単純な物だ。

 しかし、それが失敗だった。
リアルすぎたのである。

 あまりにリアルで、なおかつプレイヤーの眼にダイレクトに視覚的情報が飛び込むHMDを使用していた。と言う事もあり、プレイヤーには殺人(それ)が本当に眼前で行われているように見えてしまった。

 勿論、ゲームだと割り切り、プレイする事の出来るプレイヤーは沢山いたが、「The killer」に関してはそれをプレイした者達に明らかに健康上の問題を抱え始める者が、一部とはいえ多すぎ、問題へと発展してしまう。
その結果、国は民間に調査を委託。検証の結果、最終的には配信中止の処置を取らざるを得なかった。

 だが……そんなゲームにも他のゲームと同じく、トッププレイヤーと呼ばれる者は存在したのだ。
ちなみに、一人では無く二人。

 殺っていても全く体調を崩すことなく戦闘を続け、他のプレイヤーたちからはその二人が参加すれば先ず、その試合は負けるとさえ言われた二人の猛者。
何時も大体二人で行動し、そのコンビネーションと息の合いようは、まさしく兄弟のようにぴったりだった、二人。

片方の名は「PoH」
もう片方の名は「Popy」
それが、「The killer」という一つの世界に置いてのみ、最凶の殺人鬼コンビだった人物達の名である。

────

「しっかしホント、お前があの頃と同じHN使ってなきゃ絶対気が付かなかったもんなあ……変な因果もあったもんだ」
 正直、これまでにも他のゲームで知り合いだった奴に会ったことが無い訳じゃない。
しかし、よりにも寄ってこいつに遭うとは、予想していなかった。

「こっちとしても、出来ればあんたにゃ会いたく無かったな。Popy」
「おいおい、最強のレッドことPoHさんが何をおっしゃる?」
「killerじゃアンタの一つ勝ち越しだったはずだぜ?」
「あれ、そうだっけ?」
 一応言っておくと、たがいに会った時から武器を構えたまま下ろしていない。と言うか、今からする事を考えれば下ろす訳がないのだが。

 彼ら二人は、「The killer」内に置いて、最凶のコンビであると同時に、最強のライバルでもあった。
それはそうだ。元来あのゲームは一戦闘に付き勝者は一人だけ。

 そしてコンビネーションにより、他の全員を殺し尽くしたこの二人が毎回の戦闘で最終的にどの様な行動を取ったのかは、想像するまでも無いだろう。

「って事は今日のはお前のリベンジマッチか?最凶のレッドからリベンジマッチ受けるとは、なんか優越感だな」
「まぁ今回俺が勝ってもそれ以上の勝負は無ぇからな。今日は一回でtwo pointsって事だ」
「あれ、お前ってそんな負けず嫌いなキャラだっけ?」
「そもそもアンタと組んでた頃に他の奴に負けた記憶がねぇが……」
「そうだっけか?ま、いいや。んじゃまあ……」
 リョウのひざが曲がる、自身の身体を弾丸とし、打ち出すためにだ。

 PoHの方も、腕がほんの少し曲がり、受け返すため力をこめているのが見てとれる。

 一瞬、この世界で存在しないはずの物。彼ら二人の「殺気」と言う名の力が時を止める。
…………声が、重なる


「「It`s show time」」
 
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