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髑髏天使

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第六十話 最終その十一


「私から行くかも知れないがだ」
「闘い方も放棄したか」
「全ての考えることを放棄した」
 そうだというのだ。
「そうした」
「わからないな」
「わからせるつもりもない」
 そのことも放棄しているのだった。
「何もかもをだ」
「考える一切のことをか」
「そのうえで貴様と闘いだ」
「勝つか」
「では来るのだ」
 また影に言う。
「勝つのは私だ」
「貴様か」
「そうだ、私は」
 死神は言うのだった。
「何があっても貴様に勝つ」
「貴様自身にか」
「私もやるべきことがある」
 影に対してこうも話す。
「私は死者の魂を送ることが仕事だからだ」
「それをする為にか」
「私が死ねばそれをする者がいなくなる」
「死神も大切な仕事なんだよね」
 目玉も言ってきた。
「それに僕もいるからね」
「おっと、僕自身もだね」
 目玉の影もいた。死神の影の口を借りての言葉だった。
「役目があったよね」
「そうだよ。僕も神様だしね」
「眠りの神の仕事だね」
「それをしないといけないからね」 
 それでだとだ。目玉も言うのだ。
「死ぬわけにはいかないからね」
「そういうことなんだ」
「そうだよ。じゃあ死神」
「わかっている」
 死神は自身の半身、もう一柱の自分に応えた。
「そのことはだ」
「それじゃあ。やろうか」
「勝つ」
 構えないまま言う。
「ではだ」
「うん、じゃあね」
 こうしてだった。彼等は今考えないことにした。それを見てだ。
 魔神達もだ。それぞれその選択を選んだのだった。
「こういうのもじゃ」
「面白いですね」
 虹蛇がバーバヤーガに応える。
「これまでは考えて闘ってきましたが」
「今度は違うからのう」
「はい、考えず闘う」
「そうした闘いははじめてじゃが」
「それによって勝てるのなら」
 それならばだというのだ。
「そうしましょう」
「ここで敗れれば終わりだ」
 バジリスクが話す。
「世界はだ。もっとも俺は世界よりもだ」
「遊べなくなることがだな」
「その方が気になるがどちらにしろ同じだ」
 バジリスクはバンパイアに話す。
「俺達が敗れれば世界は終わり遊ぶこともできなくなる」
「そういうことになるな」
「死ぬことも世界が終わることも同じだ」
 この場合はだ。そうなっていた。 
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