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髑髏天使

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第五十九話 精神その十一


「どれだけかかるかわかりませんが」
「それでもか」
「彼等は不滅の存在です」
 百目は言った。
「それならばです」
「必ずまた蘇るか」
「百年後、いや千年後になるかも知れませんが」
「それでも蘇るか」
「そうして再びこの世に現れるでしょう」
「そのうえでこの世をか」
「混沌に落とそうとします」
 こう言ってだ。すぐにだ。百目はこうも言ってみせた。
「彼等の言葉では戻そうとします」
「混沌にだな」
「そうしようとするでしょう」
「ではだ。髑髏天使の戦いはだ」
「その遥かな先においてです」
 少なくとも今でないのは確かだった。
「貴方とは別の髑髏天使がです」
「混沌と戦うか」
「はい、そうなります」
 こう髑髏天使に話すのだ。
「その時貴方は間違いなく生きてはおられません」
「人間の寿命ではな」
「百年でしょうか」
「それで長生きだ」
 それもだ。かなりと言っていい。
「そこまで生きられればな」
「そうですね。人間の寿命は短いです」
「俺は戦えない」
 次の混沌との戦いにはというのだ。
「残念だがな」
「ですが私達がいます」
 百目はここでこう言うのだった。
「私達魔神がです」
「いるからね」
 クマゾッツも言ってきた。
「僕達はね」
「いるか」
「彼等とは戦いますので」
「さもないと僕達の世界が破壊されるから」
 それで戦うというのだ。彼等にとってみても死活問題だった。
 混沌が世界を覆えば当然彼等も滅ぼされる。それならばだった。
「使命感はないですが」
「世界を守るとかはね」
 その考えはないと断りもするのだった。
「しかし我々が生きる為にです」
「混沌とは戦うよ」
「私もだ」
「僕もだよ」
 今度は死神と目玉だった。この神々もだった。
「私達はこの世界を守る為になる」
「やっぱり。混沌の伸張は問題があるからね」
「その時の髑髏天使と共にだ」
「戦うよ」
「それでだ」
 さらに話す彼等だった。死神からの言葉だった。
「貴様はいないがだ」
「それでもか」
「安心するのだ。私達がいてだ」
「その時の髑髏天使もいるからね」
「そうか。安心していいのか」
 それを聞いてだった。髑髏天使はだ。
 考える言葉でだ。こう言った。
「少なくとも俺はいない。頼むしかないな」
「そうなるな」
「まあ頼まれる以前に戦わせてもらうけれどね」
 それはそうするというのだった。そんな話をしてだった。 
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