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髑髏天使

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第五十九話 精神その一


                 髑髏天使
              第五十九話  精神
 混沌の。あらゆるものが異様に絡み合い続ける世界の中でだ。彼等は話していた。
「ナイアーラトホテップが敗れたな」
「そうだな」
 こう話す彼等だった。
「そしてあの者達はだ」
「こちらに向かっている」
「我等の元に」
「混沌の原初の前に」
 そしてだ。こんな話もするのだった。
「しかし。ナイアーラトホテップが敗れたか」
「意外だったな」
「我等が兄弟」
「混沌の原初の一柱」
 その彼がだというのだ。
「敗れるとはな」
「そして我等が戦うことになるとは」
「予想していなかった」
「まことにな」
「しかしだ」
 それでもだとだ。彼等は話すのだった。
「それはそれでいいな」
「あの者達を飲み込みそのうえで」
「全てを混沌で覆う」
「そうしようぞ」
「そしてだ」
 さらにだとだ。彼等は話していく。
「全てを混沌に戻しだ」
「我等はその中で蠢き続ける」
「そうしようぞ」
「共にな」
「ではだ」
 話がだ。ここで動いた。
「どちらが先に行く」
「我等のどちらかだな」
「そうだ。どちらだ」
 一方がもう一方に尋ねるのだった。
「どちらが行く」
「我等は違う存在だ」
 それはだと話す彼等だった。
「しかし同じでもある」
「混沌の原初の存在としてな」
「それは同じだな」
「そうだな」
「違う存在であるが同じ存在でもある」
 そうした存在が彼等だというのだ。
 そしてだ。彼等はさらに話していくのだった。
「ではどうするか」
「どちらが行ってもいいが」
「この場合はどうする」
「どちらが行くか」
 こう話していってだ。やがてだ。
 一方がだ。こうもう一方に言った。
「我が行こうか」
「そう言うのか」
「うむ。ナイアーラトホテップの戦いを見てだ」
 そうしてだというのだ。
「あの者達を見てみたくなった」
「戦いをか」
「その心とやらだ」
 見たいのはだ。それだというのだ。
「それを見たくなった」
「それでか」
「そう、それでだ」
 また言うその神だった。
「倒してくる」
「わかった。それではだ」
「行くがいい」
 もう一方もそれでいいと答えた。 
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