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髑髏天使

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第五十八話 嘲笑その十六


「力は多く強くなります」
「十五の力ならだ」
「貴様がどれだけ強大であろうとも」
「そうそう簡単には押せない筈だ」
「違うか」
「数は力だな」
 神もそれを言う。
「それはその通りだ」
「ではです」
 百目である。
「その十五の力をお見せしましょう」
「そう、ここはだ」
 ヤクシャが言うのはだ。
 二人に対してだった。髑髏天使と。そして死神だ。
 この場合目玉も共にだ。彼等はこの場合共に話されている。
 その彼等にだ。ヤクシャは話すのである。
「貴様等は攻撃に専念するのだ」
「そして守りはか」
「貴様等がか」
「そうだ、そうするのだ」
 彼らに告げる言葉はこれだった。
「わかったな。守りは我等が引き受ける」
「ではだ」
「ここはだ」
「そうさせてもらうね」
 二人だけでなく死神も話すのだった。そうしてだ。
 彼等は守りを解いた。構えに入った。
 その構えでだ。彼等は神に告げた。
「では我々でだ」
「貴様を攻める」
「ふむ。攻めと守りを分けたか」
 死神はそれを見てだ。静かに言うのであった。
「考えたものだな」
「考えているからこそだ」
「これまで勝ててきた」
「考えがあってこそだ」
「そうだ」
 まさにだ。その通りだとだ。髑髏天使が答えた。
 そういうことだ。
「俺達のこれまでの戦いは見てきたな」
「全てな」
 見てきたとだ。紙も話す。
「混沌の中からもだ」
「ではわかる筈だ」
 髑髏天使がまた神に告げる。
「そうしたこともだ」
「確かにわかってはいる」
「わかっているというのか」
「貴様等がだ」
 どうかというのだ。髑髏天使達がだ。
「私を倒せないということがだ」
「それがわかっているというのか」
「これまでは倒せたのだ」
「しかし貴様はか」
「倒せない」
 こう言うのである。
「決してな。倒せはしないのだ」
「ではその言葉通りになると思うか」
「なるから言うのだ」
「相変わらずの強くだな」
「私は強くではない」
 その言葉もだ。神は否定して言うのだった。
「事実を言っているだけなのだからな」
「その事実として我々は貴様に勝てないというのだな」
「それが結論だ」
「貴様の結論だな」
「私のか」
「そうだ、貴様の結論だ」
 ではだ。彼等の結論はだ。どうかというのである。 
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