髑髏天使
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第五十八話 嘲笑その十五
「つまりだ。貴様を滅ぼすにはだ」
「もっとダメージを与えないと駄目だね」
「さて、それができるか」
神はそのことを死神と彼と共にいる目玉に問うた。
「貴様等に」
「先程のバジリスクの言葉だが」
死神は彼の言葉を引き合いに出して神に話した。
「不可能という言葉はこの世にはないのだ」
「では。貴様もか」
「倒す」
こう言ってであった。そのうえでだ。
死神もまた、だった。
己の鎌を巨大なものにさせ。それをだ。
右から左にだ。横薙ぎにであった。神を斬った。今回も両断だった。
そうしてだ。神に言うのだった。
「これでもまだだな」
「そうだ、まだだ」
神の身体はまた元に戻った。そのうえで死神に言ってみせるのだ。
「見ての通りだ」
「そうだな。何度も何度もこうして斬りか」
「滅ぼしてみるのだな」
「ではそうしよう」
死神もだ。意を決していた。
「是非な」
「しかしそれはできるのか」
神はその死神の言葉に嘲笑を込めて問い返してきた。
「私はこうして斬られるだけではない」
「攻めもするか」
「そうしない筈がない」
実際にだ。再びだ。
虹の矢を放ってきた。それで死神を攻撃してきたのだ。
それを放ちながらだ。神は言うのである。
「こうしてだ」
「むざむざというのだな」
「さて、私が倒れるまで斬れるか」
悠然と。嘲笑で語るのである。
「果たしてな」
「そうしないと駄目だけれどね」
目玉が言った。
「正直なところね」
「しかし攻めるだけには専念できないな」
「確かにね」
まさにその通りだった。死神はその矢を飛び回りながらかわしていた。今は攻めることに専念できなかった。それではとてもであった。
「これじゃあね」
「それで何故私を倒せる」
神は言うのであった。
「最後までな」
「俺達だけでは無理だろう」
髑髏天使も攻撃をかわす。そうしながらの今の言葉だった。
「確かにな」
「その通りだな」
「しかしだ」
「しかしだというのか」
「俺達だけでは無理だとしてもだ」
彼等だけではとだ。言葉に出して言うのだ。
「全員ならどうか」
「全員というのか」
「俺達三人だけではない」
死神を仲間とみなしてだ。目玉も入れた言葉であった。
「そう、俺達だけではなくだ」
「我等もいる」
バンパイアの言葉だった。
「我等十二柱の魔神達もだ」
「貴様等もか」
「そうだ、三で駄目ならだ」
それに加えてというのである。
「十五ならどうだ」
「数は多ければ多いだけです」
虹蛇も言ってみせる。
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