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フリージングとイレギュラー

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突然の帰宅

~真紅狼side~
あの“第10次ノヴァクラッシュ”の後、俺は源吾が言っていたように階級と自由行動権限、さらには報奨金などいったモノが渡された。
渡したのは源吾だが、その後ろに控えている政治家どもは歯ぎしりしていた。
ざまぁwww
議事堂らしき空間を出ると、そこには報道者達がスゲェ居る。
うわぁ、通りたくねぇ………


「何をやってるんだ? 蒼騎くん」
「報道の数が多すぎて外に出たくねぇ」
「普通に通ればいいじゃないか」
「俺はマスコミが嫌いなんだよ」
「ほら、行くぞ」
「分かったから、押すな」


源吾と共に外に出るとやはり質問攻めを食らった。
ああ、だから嫌なんだよ、マスコミは。


「ドクターアオイ! 今回のノヴァクラッシュを一人で食いとめたというのは本当ですか?!」
「ウェストゼネティックス所属の者だと聞きましたが!?」
「「「どうなんですか!?」」」


名乗りたくない、絶対に名乗りたくない。
プライベートまで、侵入されるなんてたまったもんじゃない。
そう思っていたら、俺の成果を先程から忌々しく思ってる政治家の一人がついうっかりと話してしまった。


「あなた達の前に居る青年が止めてくれましたよ」
『え?』


俺は反射的に“真紅(クリムゾン)執行者(アドミニスター)”を抜き、口を滑らした馬鹿の額を狙った。


「な、なんの真似だ!?」
「てめぇは死にてぇのか? そーなのか? ああ!?」
「蒼騎くん、落ち着け」


俺は馬鹿政治家の足元に一発放った後、ホルスターに戻した。
すると、その政治家は腰を抜かしていた。


「ったくよぉ、次、口を滑らしてみろ。今度は容赦なくてめぇのそのスカスカの頭に叩き込むぞ? だいたいな、僻む位ならテメェも功績を受ける様な具体案ぐらい出してみろ。しかもな、嫌がらせをしてくる時点で、“自分は役に立たないですよ”って世間に公表しているようなものなんだよ。分かる? 馬鹿」


先程まで騒がしかった記者達は何やらメモを取っていた。
ついでに言っておくか。やりそうだしな。


「ああ。お前らも関係あるからな? 記者共。今見た光景を面白おかしく捻じ曲げて、世間に公表したらそのテレビ局潰すからな? お解り?」


記者達と馬鹿政治家は首を縦に振る。


「蒼騎くん、やり過ぎじゃないか?」
「これぐらいやっとかねぇと、忠告を無視して噛み付く馬鹿共が居るからな。これぐらいがちょうどいいんだ。それと、俺は親切にも忠告してやったんだ、それを破ってまで放送したのなら、それは自己責任、そいつに責任があるんだよ。殺されても文句は言えねぇだろ?」
「まぁ、確かにそうだが………」
「ということだ。忠告無視したら、容赦しねぇから。そのつもりでいてくれよ?」


脅迫レベルで、記者及び馬鹿政治家どもに言い放ち、俺はその場を去った。
そして、俺は再びウェストゼネティックスに戻る準備をしてヘリポートに向かう際に源吾から誘いを受けた。


「蒼騎くん。今年の冬、全ゼネティックスの一年生のパンドラの中でも最上級パンドラを集めようと思うのだが、その時にキミも来て欲しい」
「俺がか?」
「そうだ。最上級パンドラ達の実力がキミをどこまで本気に出来るかを試したくなってきてね。冬まで行けば、それなりに力もつき突き出てくる筈だからな」
「まぁ、楽しそうだな。逆に倒しちまってもいいんだろう?」
「ああ。倒された時はキミの力は未知数ということが証明されるからな。ある意味、世界最強の男として謳う事になるな」
「通り名なんか俺にはどうでもいいんだが………分かった。その誘い受けさせてもらう」
「有難う。助かるよ」
「じゃあ、源吾。たまに訪れるかもしれんが、身体に気を付けろ」
「キミも頑張りたまえ」


俺はヘリに乗り込み、ウェストゼネティックスに戻っていった。
………………あ、シフォンのこと忘れてた。
~真紅狼side out~


~アーネットside~
真紅狼がシュバリエに召喚されてから三日が経ったが、未だに帰ってこない。
しかも、召喚されてからその後、すぐに総本部近くでノヴァが出現したらしいが死傷者が0という情報が流れ、全ゼネティックスと世界中は驚いた。
たった一体だけのノヴァでも死傷者は少なからず出る筈なのに、今回は0という結果に皆は騒ぐ。
しかも、一人でノヴァを倒したという驚愕の事実でさらにヒートアップした。
今では誰が倒したのか皆、考えているらしい。


「エリザベスは誰だと思う?」
「シュバリエ最強のパンドラ、イ=スナさんじゃないですか?」
「皆と同じ予想ね~」
「では、そう言う貴女は誰ですか?」


エリザベスに返し聞きをされて、頭の中で最初に浮かんだのは真紅狼だったが、すぐさま振り払った。


「ん~、私もエリザベスと同じかな~」


エリザベスに悟られぬように、余裕を持って受け答えした。
だけど、バレていたようだった。


「嘘ですね。最近の貴女は、なんでもかんでも真紅狼さんのことを思い浮かべてしまう筈です。さっきも真紅狼さんが思い浮かんだじゃないですか?」
「うっ////」
「………図星の様ですね、アーネット。もしかして一目惚れでもしましたか?」
「…………そうかもしれないわね。最初に真紅狼と話した時に、“もっと真紅狼のことが知りたい”って思っちゃったのよ」


エリザベスの部屋で話しているので、私は胸の内を語る。


「へぇ、そりゃ、嬉しいね。俺なんか男を惚れるなんて、いっそのこともう付き合っちまうか?」
「将来はそうしたいわね……………………………え?」


今、後ろから凄く聞き覚えのある声が聞こえる。
エリザベスも固まっていた。
でも、後ろは窓しかない…………しかもここは三階。
出来れば、本人じゃない事を祈りたい。
本人だったら恥ずかしくて、しょうがない。
私とエリザベスは同時に後ろを見てみると、窓のサッシ部分を掴みながらぶら下がった真紅狼が居た。


「ハロー、お二人さん。元気だった?」
「「なにやってんの/なにやってんですか!??」」
「え、何って、ぶら下がってんだけど?」
「そう言う事じゃなくて、いつから居たの!?」
「アーネットがエリザベスにバレたところから」
「つまり、最初から居たんですね? でも、それなら分かる筈なのに………」
「気配消してたから、気付かなかったんじゃねぇの? しかし、アーネットがそう思っているとは思わなかった」
「うぅ////」


聞かれた。
本人に聞かれた。
顔が真っ赤になってるに違いない。
恥ずかしくて死にそう////


「で、どうする? 付き合うか?」
「真紅狼は私とでもいいの?」
「むしろ、俺が聞きたいセリフだな。本当に俺でいいのか? アーネットには喋っていない真実とかがあるがそれでもいいのか?」
「いずれは喋ってくれるんでしょ~?」
「話すさ。俺みたいな奴を好きになってくれたんだ、ちゃんと話す」
「なら、いいわ/// それに真紅狼。私、粘着性が高いからね、どんな真実を話されても、真紅狼から離れないわよ~」
「そうかい」
「これからもよろしく~、真紅狼♪」
「ああ。よろしく頼む、アーネット」


今まで黙ってたエリザベスがいきなり口を開いた。


「ところで、真紅狼さん。シュバリエ総本部近くで、ノヴァクラッシュがあったようですが、誰が討伐したんですか?」
「その話、もう広まってんのかよ!?」
「ええ。全ゼネティックスでは、持ち切りの話題ですよ?」


真紅狼は何故か、頭を抱えていた。


「なんで、真紅狼が頭を抱えてんの~?」
「あー、うん。まぁ、ね」


歯切れが悪い。
まさか…………


「もしかして…………真紅狼がやったの?」
「………ノヴァってのがどんなモノなのか、試しに戦ってみたんだが、あんな風になるなんて知らなかったんだよ」
「その映像とかないんですか?」
「あー、見てびっくり、聞いてびっくり映像だから無理じゃね? あんなの俺にしか出来ない芸当だからな」
「何をやったのよ?」
「………まあ、色々と」


それ以上、真紅狼は答えなかった。
そこから真紅狼は、シュバリエで合った事を私達に話してくれた。
一番驚いたのは、軍の階級を貰ったことと自由行動権限及び干渉権だった。


「じゃあ、俺、これから校長室に行って報告するから」


真紅狼が再び窓から出ていく前に尋ねることにした。


「部屋の場所が分かったら、今日、真紅狼と共に寝てもいい////?」
「ああ。構わねぇぞ?」
「じゃあ、待ってるから」
「じゃ、また後で食堂で逢おう」
「分かったわ~」


真紅狼は出て行った。


「……お熱い事で」
「あら、エリザベス。嫉妬?」
「違います。ただ、人の部屋でイチャつかないで欲しいってことです」
「ごめんねぇ~」


夕食時になって、私達は食堂に向かった。
~アーネットside out~


~真紅狼side~
アーネットと別れた後、俺は報告をパパッと終わらせるために校長室に向かった。


「失礼します」
『………どうぞ』
「校長。俺の処分は………「知ってますよ」………ですよね」
「今日から地図に記している場所があなたの部屋です。あとで向かってください。あと、地位の方ですが、相当高い場所になりました。アオイ博士と同じ“ノヴァ対策顧問”ですが、担当が新しく創られた“戦闘部門”の第一人者として配属されましたので、今後はウェストでは訓練教官もしてやってください。お願いしますよ?」
「了解した。では、失礼する」


俺は校長室から出た後、部屋を確認していくと、とても広く豪華だった。
日用品はほぼ揃っていて、冷蔵庫やテレビ、キッチン、ベッド、バスルーム、トイレなどと言ったものも揃っていた。
場所は、三年の女子寮側から少し離れた場所に佇む一軒家だった。
場所を把握した俺は、食堂に向かった。
アーネット達はすでに食べており、俺もそのテーブルに座った。


「待たせたか?」
「今、私達も食べ始めたところよ~」
「そうかい」
「部屋はどうだったの?」
「部屋って言うか、一軒家だったな」
「「家!?」」
「三年の女子寮からちょっと離れた場所に佇む一軒家だな。ちょっと場所に難アリだが、中は悪くない。泊まっていくんだろ?」
「ええ//// 皆には内緒にしたいから、夜中迎えに来てくれる?」
「お姫様が望むなら、迎えに行きましょう」


冗談交じりで言ったつもりなんだが、アーネットは顔を真っ赤にしながら頷いた。
ナニコレ、超可愛い。
食っちゃダメかな?
さすがにマズイから、止めておくか。


「ごちそうさん。じゃ、アーネット。夜また逢おう」
「わかったわ////」


その後、夜バレないように迎えに行き、そのままお互い抱き合って寝た。
~真紅狼side out~


明日から、世界各地から呼ばれてるし訓練教官とかメンドイなー 
 

 
後書き
アーネットのキャラ崩壊!!

アーネットは第三者が居る時は、普通の対応を見せます。
ですが、二人っきりもしくはエリザベスが居た時は、物凄くデレます。
猫被ってる様なモノですね。

次回から、真紅狼による授業です。
授業になるのかどうか、不安ですが・・・・ 
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