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髑髏天使

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第五十五話 魔水その十八


「侮っているのは貴様だ」
「私だというのか」
「それがどういう結果をもたらすかはもう言った」
 既にだというのである。それはだ。
 そうしてだ。まず髑髏天使がであった。
 そのスカラベに乗りながらだ。神に突進する。
 突進しながら。両手に持つ巨大な剣を一閃させた。
 その一閃で竜巻を出す。その竜巻が神を打つ。
 するとだ。水が飛び散った。
「むっ、私の身体がか」
「水の神ならばだ」
 髑髏天使は竜巻を続けて出す。そうしながらだ。神に対して言うのだ。
「その身体は水が全てだな」
「そうだな。その通りだな」
 死神もだった。彼もだった。
 彼は馬に乗りそうしてだ。鎌を一閃させる。
 そこから鎌ィ足を放つ。それが神を斬る。
 それでも水を飛び散らせる。それを出しながら言うのだった。
「生物は元々その大部分が水だが」
「貴方は特にですね」
「そうだな」
 百目と逆さ男はそれぞれの手、逆さ男は本来は足がある部分のその手からだ鎌ィ足を出している。それで神の身体を打ちながらの言葉だった。
「水の神だからこそ」
「その身体はだな」
「全てがですね」
「水だな」
「だからこそか」
 神も攻撃を浴びせる。しかしそれはだ。
 魔神達の中にはその魔水をだ。風で打ち消していた。そうして神の攻撃を防いでいる。
 それを見ながらだ。神は言うのだった。
「風で攻撃をするか」
「如何にも」
「こうしてだ」
「これならどうか」
「確かに水は飛び散る」
 それは事実だと。神は認めた。
 しかしだ。神はここでこうも言うのだった。
「しかし飛び散った水はだ」
「また一つになる」
「そう言うのだな」
「そうだ。その通りだ」
 こう答える。髑髏天使と死神にだ。
「所詮は同じことだ」
「いや、違う」
「そうはならない」
 ところがだ。二人はここで神に言葉を返した。
「残念だな」
「そこからのことはもう考えている」
「考えているだと」
「そうだ、水を蒸発させる」
「消すこともだ」
 蒸発、この言葉にこそ全てがあった。
 髑髏天使がだ。あるものを出した。それは。
 炎だ。それをだ。また出してみせたのだ。
 それは一つではなかった。無数の赤い火球を己の周りに出す。そして。
 その火球をそれぞれ飛び回らせた。それでだった。
 飛び散った水を蒸発させていく。相殺しているのだ。
 そしてだ。死神もだった。
 髑髏天使と同じ様にして火を出した。飛ばせる。それによって神の身体を構成していた水をだ。次から次に蒸発させていくのであった。
「私の身体が」
「これでどうだ」
「少しは堪えている筈だがな」
「いや、かなりじゃな」 
 バーバーヤーガは右手に持っている棒を一閃させ風を出しながら二人に答えた。
「その証拠にじゃ」
「そうだね。攻撃がね」
 これは死神が乗る馬と一体化している目玉の言葉だ。
「弱まってきているよ」
「その規模も威力もじゃ」
「攻撃が効いてるんだよ」
 目玉はそれを見抜いていた。無論バーバヤーガもだ。
「確実にね」
「このまま攻めればじゃ」
「やれるよ」
 こう髑髏天使と死神に述べる。 
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