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魔法少女リリカルなのは 在り来りな転生記

作者:秋陽
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第一話 転生

 
前書き
初めまして秋陽(あきよう)と申します。
小説を書くのは初めてなので読みにくいところもあると思いますのが、頑張っていきますのでこれから宜しくお願いします。

この作品には筆者の自己解釈など、一部の方は苦手と思われる表現があるかもしれません。
そういう方は戻るボタンを推奨させてもらいます。
それでも大丈夫という方はこれから宜しくお願いします。 

 
「あれは……死体か? というかここはどこだ?」

 自分が見たこともない場所にいることを気にしながらも、俺は目の前(?)に転がっている肉塊をただ呆然と眺めていた。

 何か普通ではない場所、見え方、目の前に転がる肉塊、浮遊感を感じる体。それぞれのピースに込められた”意味”が合わさり合って一つの”解”に繋がる。

「なんだ、ついに死んだのか……俺は」

 そして何より、あそこに転がっているのが自分自身だと言うことに気付くのにはさして時間はかからなかった。

「そうですよ。あなたは死にました」
「あんたは誰だ?」

 後ろからいきなり現れた明らかに日本人離れをしたような銀髪の少女が話しかけてくる。

「私はこの空間の管理者ですよ」
「て、言うことは神ってことか? 俺を転生でもさせてくれるのか?」
 半信半疑どころか殆ど目の前の人物を疑いながら冗談のような質問をする。

「神と言うのは少し違いますが……あなたを転生させるというのはその通りですよ」
「はぁ?」
 笑顔を浮かべながらそう言ってくる自称管理者。殆どの男ならこの笑顔でイチコロになるのだろうが、生憎俺にはそんな事興味が無い。可愛いだとか綺麗だなんて感情が出てくる前に、何言ってるんだコイツ、という怒りに近い感情しか出てこない。

「ですから、あなたには転生してもらいます。転生先は”魔法少女リリカルなのは"の世界です。知っていますか?」

 知っているかどうかの問題ではないと思うのだが……。ちなみに俺はリリカルなのはの世界はあまり知らない。なのは好きの友人からストーリー自体は聞いたことがあるが、俺は二次創作のほうがよく見ていたのでどうしてもなのはには「O☆HA☆NA☆SHI」というイメージしか無い。

「ちょっと待て。そもそも何で俺なんだ?」
「何がですか?」
「何で俺が転生するんだって事だ。自分で言うのもなんだが、生きてた頃の俺はまともな好青年とは物凄くかけ離れていたものだぞ」

 大方俺の死因も車にわざと轢かれる自殺か何かなのだろう。死んで尚まわりの人間に迷惑をかけるとは……自分で言うのもなんだが、はた迷惑な存在だ。
 そんな事を考えている俺に対して管理者は
「……こんなことを言うと偉そうに聞こえるかもしれませんが……あなたの人生があまりにも虚しかったからです」
 とそんな事をいう。

 そんな他人から言われるほど虚しい人生だっただろうか? 俺にはただ単に一人のバカが勝手に馬鹿をやっていた人生にも思えたが……

「独特の価値観を持っているのですね」
「……そんな事を言うためだけに勝手に人の心を読んでくれるな。……嫌われるぞ」

 まぁ、その時はその時ですよ、と管理者はのんきそうに答える。

「そろそろ、時間がなくなってきそうですね。……じゃあこれからが本番です。」

 そう言って管理者は表情を先程までと変え、とても真面目な表情に変わる。

「では、あなたには魔法少女リリカルなのはの世界に転生してもらいます。なお、特典として3つまで願いを叶えて差し上げます」

 そう言ってくる管理者ではあるが特に叶えたい願いはないような気がする……

「願いというか……確認なんだが転生したとしてデバイスとか魔力の素質とかはどうなるんだ?」
「デバイスはちゃんと渡しますよ。魔力の素質は……まぁ運ですが、魔力が無いということは無いですよ」

 そんな事を言われると本当に願い事が無くなりそうなんだが……
 そんな事を思っていたが、一つだけ願い事に近いことがあることに気付いた。

「ちなみに転生前の記憶は残りますよ」
 
 と思ったがすぐにその願いは踏み潰された。転生前の記憶を残しておきたかったんだが……

「でも何故、そこまでして転生前の記憶を持っていたかったんですか? もしかして私との出会いを覚えていたかったとか? Σ(゚∀゚ノ)ノキャーどうしよう」

 何故かいきなりピンクな妄想をし始める管理者。さっきまでの真面目な態度はどこに行ったんだよ……
 というか何気にさっきから普通に心を読んできてるよね?

「はい、そうですよ? でも本当に何故、そこまでして記憶を持っていたかったんですか?」
「勝手に人の心を覗いていることにもっと罪悪感をもてよ……。理由は……転生した俺がもう二度とこんなバカみたいに馬鹿な事をしないように……か?」

 自分でもよく解らないが多分そうなのだろう。もし、違ってもこの目の前の管理者なら俺の持ち合わせている本当の答えを見抜くだろう。

「悪いな、今は特に叶えたい願いは無い」
「そうですか。……なら叶えたい願いがあったら私を呼んでください。ある程度聞こえる場所にはいるので……」

 そう言いながら管理者は俺にデバイスと思われる腕輪を渡してくる。

「これがあなたのデバイスです。名前は”セレネ”と言います」

 確かギリシャ神話の月の女神もそんな名前だった気がする。
 確か俺の記憶だとデバイスは英語で話していたような……。そう考えると英語の全く出来ない俺はどうすればいいのだろう……。

「デバイスの設定としてちゃんとあなたに理解できる言語に聞こえるようにしているので問題はないはずです。(本当はただ単に作者が英語が苦手なだけですが)」

 なぜか、物凄くメタ的なことを言ったような気がするのは気のせいだろう。

「では、良い第二の人生を」

 そんな事を言いながら、管理者は片手を頭上に上げる。
 そうすると同時に俺の目の前に光る扉のような物が現れる。

「じゃあ、せいぜい第二の人生を楽しんできますよ」

 そう言いながら俺は光る扉の中へと一歩を踏み出す。
 それと同時に俺の意識はこの扉の色とは真逆の黒色に支配されることになった……。



 Side Out

「良かったんですか? 彼に本当のことを教えなくて」

 少年が転生をし終え、静かになったはずの空間に一人の青年の声が響く。

「別にいいのですよ。彼が思っていることそれが真実なのですから」
 死に際の記憶なら尚更と管理者は声の主に答えかける。

「私が手を出すのは転生するまで。それからの人生は彼の自由です。私の一存で彼の生き方を否定する権利はありません」

 そのようなことを言いながら自称管理者は空間の奥の方へと消えて行く。

「そもそもあなたが人間を転生させること自体がありえないことだと僕は思っていましたがね……」

 誰もいなくなった空間。
 話し相手が消えた方を向きながら青年は話し続ける。

「彼が自身の人生を変えようとし、”引かれそうになっていた子供を助けたのが死因”そう教えたのならまだ彼は救われたと、僕は思いますがね……」

 まだまだ何か小言を言いたそうな青年。
 だが、何かの予定があるのか時間を気にすると同時に、彼もまた空間の奥の方へと消えて行ってしまった……。 
 

 
後書き
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