ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第十四話 終幕
闇慈達は階段を下りていき、広い場所にでると・・・
「レイナァァァレェェェ!!!」
「腐ったガキが気安くその名前を呼ぶんじゃないわよ!!汚れるじゃない!!」
一誠と堕天使レイナーレが戦っていた。しかし戦っている内に一誠の足に光の槍が突き刺さってしまい、片膝をついていてしまった。
「一誠君!!」
木場が一誠の援護に回ろうとしたが闇慈がそれを止めた。
「ダメだよ、木場君。これはイッセー自身の戦いなんだから邪魔しちゃ後でイッセーから怒られるよ」
しかしアーシアが闇慈に叫んだ。
「でも!!このままじゃイッセーさんは!!」
「確かにイッセーはやられているけど・・・イッセーの目はまだ諦めてないよ」
再び一誠を見ると鋭い眼光がレイナーレを捉えていた。
「・・・分かった。でも本当に危なくなったら助けに入るからね」
「分かった。(でもあの篭手・・・時間がかかるごとに魔力が倍増している?)」
(やはり・・・あの篭手は我と同じ・・・)
(えっ!?)
闇慈がデスの解釈を聞き損ねるととレイナーレが闇慈の方を向いた。
「あら。お前は私をコケにしてくれた奴じゃない。もう少し待ってて頂戴ね?もうすぐこの死に損ないを消してお前の相手をしてやるわ!!そしてそこの裏切りの小娘のセイクリッド・ギア『聖母の微笑【トワイライト・ヒーリング】』を頂くわ!!」
「・・・そんなことさせない」
小猫が闇慈の前に立ち身構えたが闇慈は小猫の真横に来た。
「・・・闇慈先輩」
「心配してくれてありがとう、小猫ちゃん。でも僕は大丈夫だよ」
「・・・分かりました」
小猫はアーシアの隣に来ると闇慈はレイナーレと向き合った。
「レイナーレだったか?俺を消そうとするのは構わないがお前はお前の言う『死に損ない』を舐めているとやられるぞ?」
「なに言ってるの?あのガキがもう立てるわけが・・・」
「うおおおおお!!!」
レイナーレの言葉を一誠の咆吼が遮り、ゆっくりと立ち上がった。その拍子に足の傷口から血が吹き出るが一誠はその痛みに耐えていた。そして篭手を着けている左腕を天にかざすと緑色の魔力が一気に溢れ始め、篭手に牙のようなものが生え、形が変わって行った。
「そんな・・・ありえない。それに何なのこの魔力!!これは・・・もう私より遙かに上・・・」
「神様がいねえのなら・・・悪魔だから・・・魔王様か!!どうかこいつを!!」
一誠の気迫が上昇するとコウモリのような悪魔の翼が生えた。
「一発殴らせて下さい!!」
「ひぃぃ。いやあああ!!!」
レイナーレは恐れをなし、逃げだそうとしたが一誠の足の速さのほうが上だったのか一誠の見日腕がレイナーレの右腕を掴んだ。
「うおおおお!!!」
「わ、私は至高の・・・!!!」
「ぶっ飛べ!!クソ天使!!!」
そして引き寄せる反動と魔力を込めた篭手の威力を乗せた一誠の鉄拳がレイナーレを捉え、彼女は壁に激突した。レイナーレは気絶したのかそのまま地面に倒れ伏してしまった。
「はあはあ・・・ザマあ見やがれ!!うっ・・・」
一誠は力を使い果たしたのかその場に倒れそうになるが木場と闇慈が一誠を両方から支えた。
「お疲れ様。一誠君」
「流石だね。堕天使を一人で倒すなんて」
そしてアーシアが一誠の傷を治し始め、それが終わる頃にはリアスと朱乃も闇慈達と合流を果たした。リアスは一誠の戦績を聞くと・・・
「良くやったわねイッセー。堕天使を一人で倒すなんて流石私のポーンね」
「あの部長。他の堕天使は?」
「それなら闇慈君が全部一人で倒してくれましたわ」
リアスの代わりに朱乃が答えた。闇慈が堕天使を倒すまでの過程を朱乃が一誠に話すと・・・
「闇慈。お前やっぱ・・・死神だな」
「今となっては最高の褒め言葉だよ、イッセー」
「・・・連れてきました」
闇慈と一誠が和んでいたが、小猫がレイナーレをリアスの前に投げ出すと二人は真剣な顔になった。
「初めまして、堕天使レイナーレ。私はリアス・グレモリー。グレモリー家、次期当主よ」
そしてリアスは一誠の左腕に着いている篭手を見て何かを納得したような顔をした。
「そう、そういうことなのね。堕天使レイナーレ。この子兵藤一誠の神器はただの龍の手ではないわ」
そう言ってリアスは一誠の神器について闇慈達に説明を始めた。
一誠の神器の名は赤龍帝の籠手『ブーステッド・ギア』
持ち主の力を十秒ごとに倍にしていき、魔王や神さえも一時的に上回ることが出来るといわれている。
デスサイズ・ヘルと同じくロンギヌスらしい。
「そうそう。ロンギヌスの使い手はこの中でもう一人いるわよ?堕天使レイナーレ」
「な、何!?・・・まさか」
「アンジ。彼女に教えてあげなさい」
闇慈は少し顔を歪ませるとデスサイズ・ヘルを取り出し渋々と説明を始めた。
「・・・貴様のような外道天使に教えてやるつもりは無かったが部長の命令だ。そして輪廻に墜ちる土産として聞いておくことだ。この鎌はロンギヌス…デスサイズ・ヘルだ」
「デ、デスサイズ・ヘルですって!?」
理解したことを確認すると闇慈はそのまま『憑依・死神』を発動させ、レイナーレを魔力と真紅の目で威圧し始めた。
「・・・貴様の罪は重い。その魂・・・貰い受ける!!」
闇慈がデスサイズ・ヘルを振り上げると・・・
「・・・助けて!一誠君!!」
レイナーレが堕天使から夕麻の姿に変わり、この期に及んで命乞いをしてきた。しかし一誠はその事にさらに顔をしかめた。
「お前・・・最後の最後まで・・・闇慈。部長」
「分かったわ」
「・・・言われるまでもないよ、イッセー」
闇慈とリアスも怒りに満ちあふれていた。
「ひっ・・・」
「「俺(私)の友達(下僕)に二度と近寄るな(らないで)・・・」」
まず闇慈がデスサイズ・ヘルで首をはね飛ばすとすぐにリアスが魔法を放ち、レイナーレを消し飛ばした。その事を確認すると闇慈は元の姿に戻った。
「初めて見たけどリアス先輩の魔法ってかなり強力だね。朱乃先輩と比べものにならない」
その疑問には木場が答えてくれた。
「部長は紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)って異名を持ってるよ」
「あはは・・・滅殺姫(ルイン・プリンセス)か」
闇慈はその二つ名に冷や汗を流した。そして気づいて見ると周りには多くの黒い羽が宙に舞っていた。その羽を見て一誠は複雑そうな顔をしていた。
(・・・イッセー。そうだよね。何だかんだ言っても元の彼女を倒したんだから・・・辛いよね)
こうして一つの事柄はここで終幕となった。
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