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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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満場一致のゲス野郎

私達はお城の周囲を回り、見張りの居ない裏口を発見する。
ソッとそこから進入すると、どうやら勝手口の様で台所に直結していた。
女中さん達が忙しそうに働いている横を通り抜け、ズンズンと城内を捜索する!

しかし私はある異変に気が付いた…
台所の女中さん達も、城内に居たメイドさん達も、美人が結構居たのだが、お父様が一言も口説こうとしないのだ!?
アイツ偽者じゃねーの?
大丈夫か!?

等と、くだらない事を考えている内に、諸悪の根元である王様がふんぞり返っている部屋へと到着する。
お父様が勢い良くドアを開けると、私達が一斉に雪崩れ込む!
そこには贅肉まみれのデブが、オッパイボヨンなねーちゃん等に囲まれて、酒や料理を浴びている。
見るだけで不愉快な光景に、私はイオナズンを唱えたくてウズウズしちゃってマス!

するとお父様が、とっても素敵な一言を…
「うわぁ…アイツも目が濁ってる!」
ジパングと同じ轍は踏まないゾ!
今度は一気にイオナズン♥
「まぁ!では、あの方もモンスターなのですね!?ぶっ飛ばしちゃいましょう!イオナ…ふがん!」
ところがドッコイ、お父様に口を塞がれて私の見せ場が吹っ飛んだ!
「コラコラコラ!こんな所で魔法を唱えたら、周りにいる女性達まで吹っ飛んじゃうだろ!今はまだダメ!」
あのオッパイボヨンなねーちゃん達も、悪人認定で吹き飛ばしちゃおうよ~…
もうストレス限界なんですけど~!!

「キサマら…何やつだ!?誰かある、曲者じゃ、こ奴等を牢に放り込め!」
すると王様、血相変えて警備を呼んじゃったわ…
お陰で兵士さん達に囲まれる私達。
「さぁ…無駄な抵抗はやめて、大人しく来てもらおうか!」
一番偉そうな兵士さんが、申し訳なさそうに私達を押さえ込もうとする…
私でも分かる…本意では無い様だ…
でも、捕まる訳にはいかぬと、アルル様達は剣に手をかける…が、それをお父様が手で制す。

お父様に止められれば、渋々ながらも従わざるを得ないのが、このパーティーの暗黙の了解です。
みんな黙って地下牢へ…
大部屋に纏めて閉じこめられ、兵士さん達はゾロゾロと持ち場へと戻って行っちゃった。
すると怒りを爆発させるのが、このパーティーの立前リーダー…
「リュカさん!何でさっきは止めたんですか!?」
私でも憶えている門番とのやり取りを忘れ、邪魔する奴等はぶっ殺せ的な勢いでお父様に怒鳴り散らす。

正直分からないでもない。
フィービー達の現状を見たら、どうしようもない憤りを感じてしまう…
私だって城ごとイオナズンで吹っ飛ばしたい気持ちなのだ。
「まぁ落ち着いて…悪の元凶は、あの国王に化けたモンスターだ!他の兵士等は人間だよ…フィービーの話では、国王に気に入られている者が特務警備隊になれるんだ。城で警備をしている連中は、殆どが奴等ではないだろう…こんな所で燻っていても、何の徳にもならないからね。きっと今頃は、城下の何処かで悪逆非道な行いに熱中しているはずさ!」

「…それは分かりました!でも、掴まっちゃったら意味ないじゃない!この後どうするのよ!」
ヒスったアルル様は厄介だ…
最後の鍵を持っている事さえ忘れている。
苛ついている私ですら、ちゃんと憶えているのに…
ともかく憂さ晴らしをしたいらしく、お父様に大声で当たり散らしている。
お父様に抱かれている私は、アルル様の強烈な大声に晒され、正直勘弁して欲しい気分ですわ。
お父様も説明すれば良いのに、適当にあしらうから余計怒りを増大させる。



「うっへっへっへっへっ………本当だ、良い女が居るじゃねぇか!」
暫くアルル様がお父様に突っかかっていると、入口から悪人面の兵士が一人、下品を絵に描いた様に近付いてくる。
「ん!?何だアンタ?牢屋の番兵には見えないが…」
気付いたお父様が、幸いとばかりにアルル様を手で制し、下品兵士へと視線を向ける。
「へへへへ…さっきまで居た下っ端番兵はもう居ねぇよ…特務警備隊の俺様が、今此処の番兵だ!そして明日には、お前等を拷問する拷問官にもなるし、懲罰を与える執行官でもある!」
キター!!!
待ってましたよ、悪者さん!
堪りに堪った鬱憤を、全て吐き出させてもらいますよぉ!

「拷問かぁ…やだなぁ…ねぇ、見逃してよ!」
あぁ…
何で我が父は、こんなに緊張感が無いのだろうか…?
ここは大暴れして、そのまま済し崩し的に偽者王をぶっ殺しちゃう流れでしょうに!
「馬鹿な事言ってんじゃねぇ!お前等の様なテロリストを野放しにするわけにはいかねぇんだよ!………と、言いたい所だが…その娘はお前の娘か?」

おや?
何だかとっても嫌な感じの視線で見つめる悪人兵士…
私を抱くお父様の手にも、一瞬だけ力が入った様子でした。
「…あぁ、僕の娘だ」
「へっへっへっ…俺様好みの良い女じゃねぇか…そいつを差し出せば、お前だけを逃がしてやっても良いぜ!」
世の中には意外とロリコンが大勢居るらしい…
美少女はこう言う時に辛いわねぇ…

「マリーを差し出す………!?」
!?
ビ、ビックリするくらい冷たい響きので発するお父様の声…
普段怒らない人程、怒った時が恐ろしいとは良く言われるが、まさにお父様がそうなのかもしれない…
声だけでなく、体全体から怒りを滲ませて私を抱き続けるお父様。
私に向けられた怒りでは無いのに、正直ちびりそうですわ!
「あぁそうだ!娘を差し出し、目の前で俺様に犯されるのを見学していけば、お前だけを逃がしてやるよ!」
ちょっとバカ男!
これ以上お父様を怒らせないでよ!!

「…俺が娘を差し出し、犯されるのを見学する……………良いだろう、ほら俺の娘を犯すが良い…約束…守れよ!」
ギャー!
絶対お父様は私の事を差し出さないのは分かっているけど、それでも泣きたくなる様なこの状況は何なんでしょうか!?
馬鹿な提案をしてきた、この愚か者を早く殺したいのは私だけでしょうか?

「な!?リュカさ…ふが!」
後ろでウルフちゃんが抗議の声を上げようとしている…
こんな状況だが、それが嬉しく感じる乙女な私♡
もてる女は辛いぜ!
って、馬鹿な事を考えている間に、悪たれ兵士は牢の中に入り私に近付いてきた!
も、もう十分に引き付けたのだから、早くぶっ殺しちゃってよぉぉぉぉぉ……………



 
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