IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
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新たな翼
私が『デザート・ストーム』を受領して3日が経過。あの受領は本社内部でも一部の人間しか知らないようで……結局謹慎と言う名目で部屋から出られない私はまた時間を持て余して……る余裕が一切ありません。
何せ機体が新しくなったんですから、そこからシュミレーションも含めて学ぶことはいくらでもあります。
特に、今まで全く触れた事の無い第3世代兵器『スト-ム・アイ』についてはデータを見ながら完全に手探り。実際にISの起動も出来ないから稼働率も上げられないし……
そもそもどの程度まで空気の密度を変えられるかなんて実際やってみないと分からないじゃないですか…
せめて4,5回模擬戦が出来れば感覚くらいはつかめると思うんですけどね。
流石に無理かなあ……
「何してんだ?」
「うひょおあい!?」
「面白い声上げるな」
く、くくくくくくく、クロエ!? いつの間に後ろに! っていうかまたいつの間に部屋に入って……
「もう! ノックしてっていつも言ってるじゃないですか!」
「え? 今日はしたよ? 」
「え?」
あ、あのクロエがノック? いつも大雑把で小さなことに拘らないクロエがノック!?
ありえない。この人はクロエじゃない。絶対違う!
「クロエ、今日はお刺身を食べましょうか」
「ぶん殴るよー」
あ、この突っ込みの鋭さはクロエですね。いやー、良かった。変装したどっかのスパイとかだったらどうしようかと。
て、痛たたたたたた! 頭をグリグリするのは止めてください~……
「スイマセンすいません! 謝りますから許してください!」
「は、変なこと言うからだ。で、何やってるんだよ?」
ようやく手を離してくれたクロエは私の手元にあるディスプレイを覗き込んでくる。
わ! わ! 不味い! 『デザート・ストーム』のデータ映しっぱなしだった!
私はそれに気づくと慌ててディスプレイをクロエに見せないように体で覆い隠す。それでいて恐る恐るクロエに振り返って…
「な、何でもない……よ? えへ」
何て小首を傾げて上目遣いで言ってみたりして……
「……いやお前、その反応で何にも無いは無茶があるだろ。眼が凄い泳いでるし」
いや、分かってますよ。私もやった後に気づきましたけど。
でもこうやってしまうことってありますよね。隠したいものとかある時とか……ね?
「え、何? まさかエロイものでも見てた?」
「エロ……違います! 」
自分の顔が赤くなるのを感じてしまいます。なんでそっち方向に話が行くんですかもう!
「じゃあ別に見られて不味いものでもないだろ」
「う、いやこれはー……」
思わず私は机の両端を掴んで引き剥がされないように準備する。こんなことになった場合のクロエは……
「いいから見せろってー」
引き剥がそうとしますからー!
クロエは私の腰の辺りを持つとそのまま引っ張り出す。
「な、なんでもないんですってばー!」
「何でもないなら見せろっつうの-!」
は、離してくださいよー! って言っても話聞かないし、私が机の手を離さないしかない!
「うー! うーうー! 」
「うーうー言うんじゃない! 」
そう言いながら私とクロエの我慢比べが続く。
と言ってもクロエのほうは私の体重全部持っていかないといけないから私よりきついはず。
「引いてダメなら……」
そう思った時何故か私の腰を引いていたクロエの手の力が一瞬抜けて……
「押してみろってな」
「ふにゃああ!」
わ、脇腹にクロエの指があああああ!
そのくすぐったさに耐えかねて私が思わず手を離した瞬間……
「そして引く!」
クロエが思いっきり引っ張ってきた!
「わああああああああ!」
「おおう!?」
私が急に手を離したことでクロエのしがみついていた私の体が浮く。そしてそのまま勢いは止まらずにクロエの身体はブリッジのように反り返って……
べキャ
「ぶぎょ……」
「あ」
ば、バックドロップは……ひどい……よ……
――――――――――――――――――――――
「う……んん……」
ここ……部屋? ていうか頭痛い……
何故か記憶が曖昧なんですけど……ていうか何で私はベッドで寝ててこんなに後頭部痛いんでしょうか?
「よー、眼が覚めたか?」
「く、クロエ? どうして……」
私の部屋に何でクロエが……うあ、やっぱり頭痛い。
クロエは私の机の前にあるイスに座ったままこっちを見て……ってああ! おも、思い出したぁ!
「く、クロエ! もしかしてそれ……」
「んー? あー、これ?」
クロエは私の机の上にあるディスプレイを見ながら時々キーボードを軽く叩いている。
み、見られちゃったよね……機密。
「『デザート・ストーム』のシュミレーションだろ? こんなん実際に動かしてみないと分からないものじゃないの?」
「え?」
あの、それ一応機密って母さんは言ってたはずなんですけど、なんでクロエが知ってる風に言ってるの?
「うん、私は一応アイシャさんから話は聞いてるんだなこれが」
「な、なんだー……良かった……」
ほ、本当に良かった……これでまた一般に公開されるようなことがあれば今度は謹慎で済むかどうか……本当に軍法会議で銃殺物ですよ。うう、ゾッとする……
「とは言っても、カルラの集中したら周りが見えなくなる癖。私の散財癖と大差ないぞ?」
「う、ほっといてください」
「ま、私のも直るわけないから人のこと言えないんだけどねー。あ、ちなみにノックしたってのは嘘だよ?」
「やっぱり……」
完全にからかわれましたね。でも入ってきたのに気づかなかったのは事実ですし少し意識してみましょうか。
まあ今はそれよりも……
私はベッドから立ち上がるとクロエの後ろに立ってディスプレイを覗き込む。
そこには実戦データ無しの文字が大きく浮かび上がっています。どうしても実際に試してみないとどうしようもないところが多く出てくるんですよね。
でも……
「机上の空論って言うのは分かってますよ。でも模擬戦できないんだからしょうがないじゃないですか」
「んー、何で?」
「何でって……事情知ってるなら分かりますよね?」
最近の加盟国の急増で、このジャクソン社にも多くの国外の企業が下見に来ている。そんな時に仮とは言え未発表の第3世代のISの模擬戦をやってるなんて知れたら責任問題になってしまう。というより未発表を貫くなら貫くでクロエにも入らないでほしかったけど。
「あー、そうそう。それについてはアイシャさんから私に来た伝言だけどね?」
「え? 母さんから?」
「うん、『カルラの助けになってやってくれ』ってさ」
「そう……ですか」
それに付き合ってくれるクロエもクロエですよ。私の周りにはお節介が多いんですから。
「ま、詳しいことは立場上言えないんだろうけどさ、早い話が模擬戦に付き合ってやれってことだよ」
「それは嬉しいけど……どこで?」
ジャクソン社には訓練用のアリーナが一つあるけど、こんな時期だし見学者がいない訳はないんですよね……なるべく見られたくないんですけど。
「それについても指示受けてるよ。今から一週間ダーウィン空軍基地の方にカルラの身柄を移せってさ」
え?
「いつ?」
「だから今から……」
「え……」
え? ええ?
「ええええええええええ―――――――――――!!!!!!」
――――――――――――――――――――――
「ほ、本当に来ちゃった……」
私とクロエはジャクソン社に配備されている『UH-60 ブラックホーク』でダーウィン空軍基地に降り立った、って本当に来ちゃいましたよ。いいんですかねこれ。
名目上は本社に謹慎中の人物を置くわけには行かないからその移動とIS操縦者による護送。なので別段本社の人や他の人には怪しまれることなく移動できました。
でも護送だって言うなら怪しまれないためにせめて迎えは用意しておいてほしかったですね。IS操縦者がいれば大丈夫って言う判断なんでしょうか?
「当たり前だろ。ほら、さっさとアリーナ行こう」
「わ、引っ張らないで下さい!」
「いいからいいから」
ダーウィン空軍基地。
オーストラリア最北端に位置した空軍基地で本国ではアジア圏に最も近いため、オーストラリアの中でも優秀なIS操縦者や最新鋭試作機が配備されていた前線基地です。滑走路の横には巨大なドーム状の建物、軍事衛星対策も施されたオーストラリア内で最大のアリーナも作られています。
そういう場所だから、設立当初は最大のIS稼動実験場だったのですが、赤道連合の体制が安定してからはアジア圏の最前線が移動したためにほとんど利用することもなくなり、今では豪州でもかなり軍縮された基地のひとつです。
まあそういう訳で誰かに見られないで模擬戦を行うには丁度いいということなのでしょう。
実際にISのセンサーに他の機体の反応もありません。情勢不安のこの状況で他の国に出張っていたり警戒に出ていたりしているみたいです。
本当なら基地司令にもちゃんと挨拶しないといけないんですけど秘密裏のせいでそのままアリーナの更衣室へ。
「うん、やっぱりここは広いなあ」
「何度来てもそう思ってしまいますよね」
アリーナに出てから言ったクロエの言葉に私は軽くそう返す。IS学園のものよりももう少しだけ大きい感じですかね。
大きさは国際条約によって定められていますから、それに触れるか触れないかギリギリの線。
世界大会のアリーナが基準なんですから大きいのが当然と言えば当然なんですけど、空が見える分ジャクソン社のものよりはどうしても開放感が違います。
「ま、始めようか!」
言うが早いか、クロエがISを展開させる。
オーストラリア第2世代正式採用型IS『デザート・ウルフ』。見た目は前に私の使っていた『デザート・ホーク・カスタム』と同じで、色は下からサンドブラウン、上へ行くと共に徐々に灰色になるグラデーション。そして最も特徴的なのが……
「相変わらずその武装なんですね」
「んー? まあね。これが一番使いやすいからさ」
左手に装備された巨大な爪状の近接武装。右手には特徴的な手甲に各部にもそれぞれ見たような武装があります。
何を隠そう、クロエこそ第3世代試作型IS『デザート・ホーク』の装備実験に初期段階から携わっていた一人であり、そのノウハウは赤道連合各国の基礎となっている部分も多々あります。IS学園に通うと言う理由から『デザート・ホーク』は私に受領されましたが、そういう条件さえなければまず間違いなくクロエが受領していたはずだったのですから。
クロエが腕に装備しているのは『デザート・ホーク』に採用されていた『グレイプニェル』の手甲と、採用に至らなかった試作近接武装。多分試作兵器の扱いは赤道連合の中で1,2を争う使い手……
「さ、早く早く! さっさとやろう!」
クロエは友達ですけど……この好戦的なところはもう少しどうにかならないんでしょうか? さっきから左手の爪を開いたり閉じたりと物凄い怖いですし……ガチャガチャ鳴らすの止めてください! 本当に怖いんですって!
それに呆れながら私も新しいパートナー、『デザート・ストーム』を展開します。
初めて包まれるパートナーはやっぱりどこか違った感じがして、でも使ってるコアが同じなのか少しだけ温もりを感じる。
「んー? やっぱりデータ上は『デザート・ホーク・カスタム』だな。アイシャさんたちもこんな細かいことよくやるねえ」
「あ、あはは……」
コアも同じだし見た目もばれないようにほとんど同じですからね。
えーと、本社で作った模擬戦データはっと……
「っしゃあ行くぞ!」
「え? ってわ! ちょっと待って!」
私がデータを確認しようとした途端、クロエが巨大な爪で私を掴もうと突っ込んできたので慌てて避ける。
「実戦で掴めって! 日本で百聞は一見にしかずって習わなかったか?」
「それ日本のことわざじゃない……です!」
クロエの上を取るために足と背中のブースターを吹かして急速後退……って!
ブースターを全開にしても大丈夫だったと思ったのにアリーナの壁が目の前に迫る!
「ちょ! 早すぎ!」
右腕を外側に振り、足を振り上げ、その反動で身体を逆さまにすると壁に足をつけ、膝を曲げることでショックを和らげる。
よし、上手くいった!
でもこの出力、データでは10%の向上って書いてあったけど15%は上がってますよ!?
私の方にまで偽のデータ入れるなんて用意周到すぎるでしょう全く……
右の腰から『ハディント』を引き抜き背後から左手に『マリージュラ』を抜いて構えます。
「おらあ!」
「ぐ!」
クロエの振るってくる左手の爪、『ワイルドクロウ』を『マリージュラ』で反らして『ハディント』で狙いをつける。
そんな私の行動を見てクロエが笑いました。
「まだまだ使いこなせてないな!」
右手の手甲で『ハディント』の銃身を弾くと同時に『ドラウプニル』が私に向けて火を吹いた。至近距離で炸裂したショットガンの弾丸の雨に襲われ、私の体が弾き飛ばされる。
その吹き飛ばされた体が腹部への衝撃と共に途中で止まる。
しまった……! これは、『ユルルングル』!
腹部に眼をやると予想通りクロエの右腕の手甲から伸びた鞭が私の腹部にしっかりと巻きついている。
『マリージュラ』で切ろうとした瞬間、体がクロエの方に引っ張られる。
「そぉら落ちろぉおおおおおおおお! 」
引きつけながら左手の爪の先端を全て全面一点に集中した突きを放とうとしている。
もう模擬戦で放つ言葉じゃない気がするんですけどこっちも……
「そう、簡単に!」
爪の先端を『マリージュラ』でギリギリ反らし、返す刀で振るう。その瞬間に『ユルルングル』で零距離まで引き付けられることでタイミングをずらされて切っ先が空を切った。
そしてクロエは弾かれた左手を私を抱きしめるように後ろに回して……
「おらぁ!」
「な!」
まさかのISで頭突きを放ってきました。絶対防御と保護フィールドがあるので痛くないですけど衝撃で頭が後ろに飛ばされる。隙が出来た私の体ごとクロエが右手で振り回し、『ユルルングル』を伸ばすことで私の身体はそのまま地面に叩きつけられた。
「げほ……!」
背中に襲い掛かった衝撃で私の肺から全ての空気が漏れる。激しく息を求める身体を黙らせて左手の『マリージュラ』を振るって未だに腹部に絡み付いている『ユルルングル』の拘束を断ち切り、その場を瞬時に離れる。
今まで私のいたところにクロエが全体重を掛けた踏み付けが炸裂して、猛烈な砂埃を巻き上げた。
「ち、惜しい」
「め、滅茶苦茶しますね相変わらず!」
「実戦と同じでやらないと意味ないだろ? それよりカルラ。なんか接近戦ばっかり上手くなってないか?」
「う……」
さ、流石に良く見てますね。クロエの装備なら『ハディント』じゃなくて散弾銃の『エスペランス』の方があってますし、何より『マルゴル』を使えなかったことも見切られてます。
IS学園に行って一夏さんや箒さんの影響受けすぎましたかね。鈴さんもどちらかというと接近戦主体ですし……やっぱり少し偏りが多かったのかも。
「まあ前衛担当の私としてはそれは面白いけどね」
「は、はあ」
クロエはニヤニヤ笑いながら爪をガチャガチャと鳴らしています。
いや、だから止めてください。本当に怖いんですってば。
「さあ、次行くよ!」
「は、はい!」
そう言った瞬間にクロエが疾走を開始し、まっすぐこちらに突っ込んでくる。左手の爪が再び一点に集中し貫通体勢に移行するのを見て私は右手の『ハディント』を戻して両手で『マリージュラ』を右腰に下段で構えた。
動きを読むも何も無い。先端だけを見据えて……柄で返す!
「だりゃああ!」
剣を振るのではなく爪の先端を柄で弾き上げ、甲高い音と共に爪の軌道が私から逸れて頬のギリギリのところを通過した。
振り切った左手を返し、右手で柄の先端を握る。返す刀で袈裟切り!
「甘い!」
『マリージュラ』が振り切られる前にクロエが弾かれた左手をそのまま自分の首周りに持っていき、肩口から体当たりを放ってきた。
ISのブースターも込めた全速の体当たりは絶対防御があっても衝撃で息が……詰まる!
思わぬ攻撃に体勢を崩した私の左肩に向かって、クロエの振り上げられた爪が叩きつけられた。
「が…!」
強烈な衝撃に思わず左手の力が抜け『マリージュラ』が零れ落ちてしまった。クロエはそのまま回転し、遠心力を加えた2撃目が迫る。
ほぼ無意識に地面に向けて左手の『マルゴル』を射撃していた。反動で私の体が少し横にずれる。
今までいた位置に向かって巨大な爪が振り下ろされ、アリーナの地面が弾け跳んだ。
まだ……! ここから更に強烈な3撃目が来る!
「え……」
そう思って体を立て直そうとした私の目の前には巨大な灰色の塊が視界を覆っていた。
早……すぎ!
ドゴォオオオオオオオオオオオン!
あ、あれ?
轟音と共に来るべき衝撃に備えて反射的に顔を庇った両手にいつまで経っても衝撃が来ないため、恐る恐る腕を下げる。
私の右にはモウモウと砂煙を上げる巨大な爪『ワイルドクロウ』。え、外れた?
正面を向くとクロエも少し驚いたような顔をしていた。あれ、わざと外したわけじゃないみたいだけど……
「なあカルラ! 今どうやった!」
「え? え!?」
思考状態に入っていたところにいきなり両肩をクロエに掴まれました。
いや揺すらないでください! さっき受けた左肩が痛いです!
「今本気で振り下ろしたのにお前の体横に移動したんだぞ!」
クロエはそんなことお構い無しに物凄い興奮していてすごい笑顔……うわー、これは変なスイッチ入っちゃったかも……
結構聞き捨てなら無い言葉もあった気もしますけどね。
「えーっと……私は特に何もしてないんですけど……」
「とすると今のが例の第3世代兵器か!? すごい! もっかいやろう!」
「え、うえええ!? 」
そう言ってクロエは再び距離を取る……ちょちょちょちょ!
「ま、待った待った!」
「えー、何だよ? トイレかなんかなのか?」
「そうじゃなくて……」
そもそも今発動したかもしれませんけど私何もしたつもりもありませんし、偶然使えたものならそんな賭け目当てにやってほしくないんですけど。不確定要素多いですし。
「じゃあいいんだな。よしやろう」
「いやだから……」
「ああもう! つべこべ言うな! 決着つけんだよ!」
ぶっちゃけた……ぶっちゃけちゃったよクロエ。今の内容だけ見るなら100人中99人が私の負けだって言いますよ。1人は多分父さんだから私の勝ちって言うけど……そういう意味で言ったら100人中100人か。
「よし行く……あ?」
―最優先メッセージを取得―
「わ」
ISからそう情報が来ると、目の前にいきなり文字が映し出された。どうやらクロエもそうだったらしくて完全に動きが止まってる。
内容は……
「くっそー! お預けかー!?」
「あ、あはは……助かった……」
クロエはメッセージの内容を見て地団太を踏んでいる。私はと言うと、すごいほっとしてます。クロエは正直言うと実戦形式でやる時はすごいんですけど、模擬戦や手合わせには……手加減できないっていうのも考え物ですよね。
「でもこの内容って」
「はあ、来たばっかりだけどとんぼ返りか」
私とクロエはほぼ同時にISを解除して地面に降り立つ。
内容は簡単、『カルラ・カスト、クロエ・アシュクロフト両名は即刻ジャクソン社へ帰還せよ』。
でも最優先メッセージって一体何が……
後書き
誤字脱字、表現の矛盾、原作流用部分の指摘、感想、評価等などお待ちしてます 。
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