DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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私達の故郷・私達の生き方
お父さんの楽しいお遊びタイムは終了を迎える。
一年半以上…そんな長時間を、柵を忘れ遊び耽ったのだ。
これからは真面目に王様をしなくてはならないだろう!
本人もその事は理解しているのだろう…
大臣達にテキパキと指示を出し、表情も風来坊から国王陛下へと変化していた。
働くパパはどんなパパでも格好いい!………でも、おちゃらけるパパも大好きです!
「じゃぁティミー…悪いけど国王の代理として…いや王子として各地に赴き、新国家の誕生と支援の要請を伝えてきてよ。ポピーには悪いけど、旦那の所に帰るのはもう少し待ってもらい、テルパドールとサラボナ…最後にラインハットへルーラでティミーを連れて行ってやってよ」
「「はい」」
早速、お兄ちゃんに王子としての仕事が訪れました。
ポピーお姉ちゃんも久しぶりにお父さんに頼られて嬉しそうです。
大幅な成長をした今のお兄ちゃんと、ポピーお姉ちゃんが手を組んだら、向かう所敵なしに違いないと思います。
「それとリュリュとウルフも一緒に行け!お前等もルーラが使えるようになったのだから、この機会に行ける範囲を広げる事!それと自分だけじゃなく、大人数を移転出来るように修業する事!」
「はい」「分かりました」
早速ウルフを鍛え上げるべく、リュリュお姉ちゃんと共に世界を巡らせようと考えるお父さん。
私もウルフと一緒にお出かけしたいけど、お仕事であるのなら我が儘我言えませんよね…
以前の私だったら、ブリッ子しながら我が儘言ってたけど、今の私は成長しました…本音は一緒に行きたいけどね!
「おいラング…お前も行けよ!お前は既にティミー殿下の部下なのだから、可能な限り付き従えよ!」
「無論そのつもりです」
ティミー殿下の部下であるラン君は、同行を許可されました!
ずる~い!
何でアイツは付いて行けるのよ!?
私だってウルフと一緒に、世界中を巡りたいのにぃ!
ラン君の同行を羨ましく眺めて(睨んで)いると、アルルさんと目が合いました。
彼女もダーリンと一緒にイチャりたい様で、ラン君の同行を不満に思っているご様子…
となれば結論は一つ!
アルルさんと頷き合い、勝手にウルフ達の輪の中へ紛れ込む私達。
「………じゃぁついでだ…山奥の村にでも寄って、お爺ちゃんに彼氏彼女の報告をしてこいよ。温泉にでも浸かってさ…」
話の解る上司…もとい、お父さんは寛大で、私達の同行も認め、山奥の村行きまで勧めてくれました。
「本当に王様なんだなぁ…あの姿を見るまでは信じられなかったけど…」
ウルフがお父さんの王様ぶりを見て、驚ききったコメントを呟く。
気持ちは解るけど、私のお父さんなのだから見くびらないでほしいわね。
「ちょっとウルフ君!私のお父さんは凄いんだからね。見くびっているとマリーちゃんの彼氏でも許さないわよ!」
でた…一級品のファザコン娘が!
両頬膨らませ、可愛い仕草で怒りを表すリュリュお姉ちゃん。
並の女がやったらムカつくだけだが、彼女がやると抱き締めたくなるのは何故だろう?
魔性の女はこれだから怖い。
「う、美しい…」
誰かが私の後ろで呟いた。
慌てて振り向き、誰かを確認すると………
「ラ、ラングストンさん………?」
そうです…一瞬お兄ちゃんかと思いましたが、声が全く違います。
正直驚きすぎて愛称で呼べませんでした。
「はっ!…そ、そうですぞウルフ殿!リュカ殿は…い、いやリュカ陛下は素晴らしいお人ですゾ!侮辱するなど私が許しませんゾ!!」
人を食って掛かる事に長けているラン君が、アッサリ飲み込まれてしまう程リュリュお姉ちゃんの魔力(天然物)は強力なのです!
「「「「「一番気を付けるのはお前だろ!」」」」」
みんなで仲良くツッコみました。
まぁ、リュリュお姉ちゃんは除外されましたけどね。
「そう言えば父さん…」
グランバニア王太子一同が出かけようとした瞬間、リーダーのティミー殿下が急に何かを思いだし、国王陛下に問いかけました。
「新しい国は何という名前なのですか?名前も分からないのに各国へ支援要請は出来ませんよ」
………そっか、名無しの国じゃ不便よね!
う~ん………何が良いのかな?
『マスタードラゴンと愉快な下々王国』なんてどう?
「プサン…お前の国なのだから、そっちで考えろよ!」
あ、『ヒゲメガネ同好国』は?
いや、それとも『トロッコランド』ってのはどうよ!?
「無理矢理建国させといてそれはないでしょう!リュカのセンスを披露してくださいよ!」
私も色々考えてあげてるのだが、中々良いのが浮かばず…また、建国する王と建国させる王にも、思い浮かぶ事が無く、名前付け段階で頓挫の危機です。
「あの…私…この世界に故郷が欲しいので『アリアハン』って言うのはダメですか?」
打開案を提示したのは、異世界よりやって来た元勇者アルルさんです。
郷愁から提示した『アリアハン』を掲げ、名付ける事に向いてない二人を説得する。
「いいんじゃないですかソレで…」
「プサンがいいって言うのならソレでいこう!」
だが、名より実を優先する二人には、心底どうでもよい事だったみたいで、軽い返事で決定されてしまった。いいのかそんなんで?
こうして私達の世界に新たな国家『アリアハン』が誕生しました。
自ら推し薦めた建国騒動の為、お父さんは珍しく真面目にサポートをしており、政務に追われちゃってます。
その所為か、お兄ちゃんと共に各国を巡ってきたウルフを、強引に国王主席秘書官へと登用し、政務を手伝わせております。
折角イチャラブなプリンセスライフを堪能しようと思ってたのに…
でも、それで良かったのかもしれません!
何故なら、ウルフが暇を持て余したら一大事になりそうだからなのであります!
ヤツ………マヂで師匠に似てきたがったよ!
偶に仕事をしている様子を見に行くと、所構わずメイドをナンパしてやがりますのよ!
しかも口調がお父さんソックリなんです。
危険です…私の彼氏が危険です…愛人やら子供やらを其処彼処で量産しそうな気配がします。
ダメです!絶対にダメなんです!!
阻止せねばなりませんよね!?
どうすれば良いのでしょうかね!?
私も浮気をしてやりましょか?
……………いやダメだ!そんな事をしても効果があるとは思えない…『じゃぁ俺も負けてられない!』とか言って張り合ってきそうだ。
お父さんだったらそうする様な気がする…
それに私の趣味が偏っているから、ウルフが嫉妬する様な浮気が出来るとは思えない…
どん詰まりじゃん、私!
やはり正攻法しか無いのか…
最近、結構な勢いで成長している私だ…そして私が成長するという事は、お母さんの遺伝子をフル活用するという事であり、自分で言うのもアレだが…凄い事になってるよ!
脱幼児体型!祝セクシー美女!!
そうさ!常に際どい服を着る様にし、彼のリビドーをガンガン刺激しまくって、私以外に目が向かない様に仕向けるしか方法はないのだと考えます!
仕事で疲れていようがお構いなしに迫り、常に欲求を吐き出させ、欲望を枯渇させておかねば、彼は他の女に目を向けてしまう!
彼は私だけを見ていれば良いのです!
頑張ります!私、頑張っちゃいます!!
負けませんから…他の女には、絶対に負けませんから!!
だって………ウルフの事が大好きだから!!
後書き
DQ3(別視点)もこれで完結です。
私の予定通り、彼女を成長させる事が出来、大満足であります。
予想外だったのが、ウルフの成長が凄かった事ですね。
あれ程までヤバイ感じに成長するとは………恐ろしい子!
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