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ヘタリア大帝国

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TURN53 ハワイの戦いその五

 ガメリカ軍の将兵達はそのコロニーを見てこう言うのだった。
「廃棄されたものらしいが」
「何故戦場にあんなものを持って来た?」
「意味がわからないぞ」
「日本軍は何を考えているんだ?」
 誰もが首を捻る。それはキャロルも同じだった。
 モニターに映るそれを見てこう言う。
「何よ、あれ」
「ううむ、何でしょうか」
「意味がわかりませんな」
「ええ、何よあれ」
 こう言って首をしきりに捻る。
「あれで一体」
「わかりません。ただ」
「コロニーレーザーではないですね」
「それではない様です」
「そうね。それはないわね
 キャロルもコロニーレーザーの可能性はないことはわかった。それは何故かというと。
「密閉式になってるからね」
「そうですね。それはないですね」
「では何でしょうか、あれは」
「どういったものでしょうか」
「ううん、とりあえずね」
 このまま放置はできなかった。それでだった。
 キャロルはそのコロニーを見ながらこう命じた。
「とりあえずはね」
「はい、あのコロニーをですね」
「まずは」
「一斉射撃、それで消し飛ばしてしまいましょう」
 そうして憂いを消すというのだ。
「そうしましょう」
「それでは今から」
「そうしましょう」
 将兵達もキャロルの言葉に頷く。そのうえでコロニーに照準を合わせていく。
 それはイザベラが指揮を執る。コロニーにはすぐに照準を合わせていく。
 しかしそこで艦首がそこに集中する。警戒もそこに向かった。
 それは太平洋軍からも見られていた。密かに戦場に来ていたエルミーは無線で田中と〆羅に対して言った。
「今からです」
「ああ、敵の先陣にな」
「攻撃ですね」
「敵の目はコロニーに集中しています」
 これは太平洋軍がまだ戦場に来ていないことも影響している。キャロルもそれでコロニーを今のうちに消し飛ばしてしまおうと判断したのだ。
 だからガメリカ軍の先陣もコロニーを攻撃にかかる。しかしそこにだった。
 エルミーは今は敵に目を向けてこう言ったのである。
「今のうちにです」
「ああ、一気に攻撃を仕掛けてだよな」
「敵の先陣を撃つのですね」
「一撃を加えてからは」
 それからのことも言うエルミーだった。
「潜伏し続けてです」
「攻撃を繰り返すんだな」
「動き回ったうえで」
「暫減、そして攪乱です」
 それを行なうというのだ。
「そうして敵を倒していきましょう」
「これが潜水艦の戦い方なんだな」
 田中は己が乗る潜水艦、日本軍が建造しはじめたその新造艦の艦橋で潜望鏡から敵軍を見ながら言った。
「潜んで敵を、か」
「そうです。ではやりましょう」
「そのタイミングは」
 〆羅もエルミーに問う。
「何時ですか?」
「敵がコロニーを攻撃しようとするその時です」
 まさにその時だというのだ。
「攻撃を放つ直前に当てる様にしましょう」
「一瞬のタイミングだよな」
「はい、その時にです」
 エルミーは確かな声で田中にも述べる。
 
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