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ヘタリア大帝国

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TURN53 ハワイの戦いその三

「とりあえず。太平洋に面しているわね」
「だったら声をかけてみます?」
「そうしてこちらに組み入れようかしら」
「そうするべきでしょうか」
「一体どうしたものかな」
 ルースも難しい顔である。
「あの国についてはよくわからないね」
「とりあえず太平洋経済圏にはあの国もね」
「組み入れるんだね」
「そうするべきだけれど」
 ハンナも一応こう考えているがそこには迷いがある。
「わからない相手だから」
「一応情報収集はしているわ」
 ドロシーもそれは行なっていた。だが。
「けれど。本当に謎の多い国ね」
「とりあえず太平洋経済圏はインド洋とあそこも入れるんだよね」
 アメリカ妹は面々に尋ねた。コーラを飲む手は今は止まっている。
「そうするんだよね」
「一応計画ではそうよ」
 ハンナもそれはだと言う。
「ついでに言えば。ええと」
「ええと?」
「ほら、何とか言ったわね」
 ハンナは何かを忘れている顔でアメリカ妹に対して述べる。
「ううんと、我が国の上にいる」
「ああ、あの国ね」
「何て名前だったかしら」
「確かカナダとかいったじゃない」
 アメリカ妹も完全にはっきりとは答えられない。
「その国よ」
「そうだったわね。カナダとかいったわね」
「カナダとケベックを領有しているね」
「アラスカと本土の間にある国ね。あの国もね」
「太平洋経済圏に入れるんだね」
「一応は」
 ハンナですらこの国のことはどうしても忘れてしまう。
「そうしないとね」
「そうだね。それじゃあね」
 一応カナダも入れることにはなっていた。だが。
 今ここにいる誰も気付いていなかった。実はこの場にはカナダは自分の妹、そして相棒のクマ二郎と一緒にいた。それで期待している目で妹とクマ二郎に尋ねた。
「皆何時僕に聞いてくれるかな」
「いや、これはちょっと」
「ないぞ」
 妹とクマ二郎はこうカナダに返す。
「私達忘れられてるわよ」
「絶対にな」
「えっ、そうなの?」
 そう言われて急激に残念な顔になるカナダだった。
「僕忘れられてるの?」
「誰がどう見てもね」
「そうなってるぞ」
 また返す彼等だった。
「私達tてやっぱり目立たないのよ」
「仕方ないから諦めるしかないと思う」
「うう、こんな大騒ぎなのに誰も振り向いてくれないなんて」
 カナダにとっては悲劇だった。しかしそんな彼をよそに世界は動いていた。
 ハワイ星域ではガメリカ軍太平洋艦隊の主力が布陣を整えていた。自ら指揮に当たる国防長官キャロル=キリングは己の旗艦の艦橋で自信に満ちた笑みでいた。
 そのうえで自身が率いる将兵達にこう言っていた。
「じゃあいいわね」
「はい、日本軍が来ればですね」
「まずは航空戦力をぶつけますね」
「そうよ。機動部隊はもう用意しておいて」
「はい、既にです」
「全軍用意しております」
 返答はキャロルにとって満足のいくものだった。だがこれで終わりではなかった。
 キャロルは先陣を率いるイザベラにも通信を入れてこう言った。
「それじゃあね」
「はい、太平洋軍が来れば」
「遠慮しなくていいから」
 ガメリカ軍随一の攻撃力を誇る彼女への言葉だ。
「もうね。一気にやっちゃって」
「畏まりました」
「何ならあんただけでやっつけちゃってもいいから」
 発破をかけることも忘れない。
 
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