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スーパー戦隊総決戦

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第十二話 聖杯の主その四

「実際はかなり勉強家だったそうだし」
「勉強?」
「つまり学問か」
「そうらしいのわね。実際はね」
 ランはこう皆に話した。
「名君だったそうだし」
「へえ、諸国漫遊とかしていなかったのか」
「それは」
「なかったんだ」
「まああの殿様のことはどうでもいいわけじゃ」
 シタリは食べることに専念している。
「さて、それではじゃ」
「それでは?」
「今度はあんたか」
「お代わりじゃな」
 言いながらまた食べるのだった。とにかく豪勢なものである。その昔のものを食べてからだ。そうしてそのうえで次の日の捜索に向かう。
「今日は見つけたいっすね」
「そうだな」
 大翔が連の言葉に応える。ゴーオンジャーの面々も飛鳥で遺跡を巡っている。そのうえで道を進みながら話しているのだ。道は開けていて左右の見晴らしがいい。空も青く青と緑が見事である。
「今日こそはな」
「全くっす。走輔もそう思うっすよね」
「当たり前だろ。今日こそな」
 それは彼も当然のことだった。
「俺達が見つけるからな」
「そうそう。僕達の手で見つけてね」
 範人も話す。
「その王様に返さないと」
「そういえば聖杯城の王様って」
 早輝はその王について話す。
「誰だったかしら」
「誰って?」
「誰かって?」
「そうよ。何かパルジ何とかっていったじゃない」
「パルジファルよ」
 ここで美羽が話す。
「その人よね」
「そうそう、パルジファル」
 早輝は美羽のその言葉に頷いた。
「パルジファルだったわ」
「その人だけれど」
「どういう人なんだ?」
 軍平がここで話す。
「それで」
「確か。最初は何も知らないしわからない人で」
 美羽は軍平に問われるまま述べた。
「一回はお城を出されたけれど目覚めることができてね。傷ついた前の聖杯の王様を助け出して自分が跡を継いだのよ」
「随分壮大なお話なのね」
「そうなのよ。壮大で」
「しかも素晴しい話だ」
 大翔も言う。
「ワーグナーのオペラにもなっている」
「それがその王様かよ」
「パルジファルっすね」
 走輔と連は彼の言葉に頷いて述べる。
「聖杯を護る筈の」
「その人っすか」
「けれどさ。何でかな」
「どうしたんだ?範人」
「いや、あのさ」
 範人は軍平に問われるまま述べた。
「そんな人がどうして聖杯を今手放しているかなって思ってさ。どうしてかな」
「言われてみればそうだな」
 軍平も彼のその言葉に考える顔になって腕を組んだ。
「そこまでの人がな」
「そういえばそれもおかしいな」
 走輔も言われてこのことについて考えはじめた。
「どうして聖杯なくしたんだ?」
「自分で動くものっすよ」
 連はこのことも話した。
「あの聖杯は」
「じゃあ家出?」
 範人はこう考えた。
「それじゃあ」
「いや、流石にそれはないだろ」
 それは軍平が否定した。
 
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