さとり
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第二章
「わしはこれでな」
「帰るか」
「ここではわかったな」
「お前さんが考えているのがな」
山わろに笑って返した。
「もうな」
「そうだな」
「だったらな」
それならというのだった。
「ここはな」
「帰るか」
「そうする」
「帰るといってもまっすぐじゃないな」
さとりは笑ってだった。
小指の先を立ててだ、そのうえで山わろに言った。
「これのところがな」
「おい、まだ考えてないぞ」
「いや、お前さん今付き合ってる女いるだろ」
「それでか」
「お前さんが考える前にな」
「言ったんだな」
「そうだ」
こう言うのだった。
「そうすると思ってな」
「考えなくてもだな」
「お前さんは女好きだしな」
「じゃあそうするか」
山わろは笑って返した。
「山女のところに行ってな」
「付き合ってるな」
「そこで一遊びしてな」
山女の家に行ってというのだ。
「そのうえでな」
「行って来るな」
「そうしてくる」
まさにというのだ。
「お前さんに言われなくてもな」
「そうしていたな」
「多分な、今のはさとりか」
「いや、読みだ」
さとりは笑って答えた。
「どれかっていうとな」
「読みか」
「相手がどう動くかを当てることはな」
「そうなるんだな」
「そうだ、それならな」
「そうか、さとりと読みはまた違うか」
「そうだ」
実際にというのだ。
「そこはまたな」
「そうなんだな」
「そしてな」
それにというのだ。
「わしはこれから晩飯を食ってな」
「そうしてか」
「風呂に入って寝る」
さとりは自分のすることも話した。
「そうするな」
「それはさとりでも読みでもないな」
「やることだ」
これからというのだ。
「そうであってな」
「そうだな、じゃあまたな」
「明日な」
「遊ぼうな」
こう話してだった。
二人は別れ山わろは家に帰る途中に山女の家に向かった、さとりは今は誰もいなかったので一人で夕食を食べてだった。
風呂に入り歯を磨いて寝た、そして翌日他の妖怪達と一緒にいてさとった、ただこの日は読みはしなかった。
さとり 完
2024・11・11
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