アリスマエストロ
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第二章
「何でも経験してみる」
「それがいいのよね」
「そうなのだよ」
「似合ってるじゃないか」
チェシャ猫はいつも通り笑っています。
「奇麗だよ」
「奇麗なの」
「ああ、だから楽しめばいいさ」
「奇麗になったことを楽しむのね」
「そうすればいいんだよ」
「皆で行こう」
ドードー鳥もいて言います。
「コンサートの客席に」
「ええ、そして聴きましょう」
「そうしよう、あと王宮のコンサートは最後の一曲誰かがゲストで指揮を執るんだ」
「オーケストラの?」
「そうなっているんだよ」
こうアリスにお話します。
「これが」
「そうなのね」
「まあ誰がなるかわからないからね」
兎は自分はないといった感じでした。
「気楽にいこう」
「わかったわ」
アリスはにこりと笑ってでした。
コンサート会場に入りました、そして入るとです。
王様女王様と一緒にロイヤルボックスに入りました、兎達も一緒でそちらから音楽を聴いてそうしてです。
お菓子や紅茶を楽しみます、その中で。
「抽選がはじまったぞ」
「指揮者を選ぶね」
「さて、今回は誰がなるか」
「楽しみだわ」
王様も女王様も笑って言います。
「誰がなっても演奏する」
「指揮棒を執るんだ」
「それが今決まるわよ」
「さあ皆の者カードを取るんだ」
「そのカードに書かれた番号を見てね」
「後で指揮者の番号を発表するぞ」
「さて、カードを取ろう」
兎が皆に言いました。
「これからな」
「じゃあわしはこれだ」
「私はこれにしよう」
「私はこれだよ」
「私はこれよ」
兎の言葉に頷いてです。
ハンプティダンプティ、芋虫、チェシャ猫、ドードー鳥はそれぞれのカードを取ります、そしてです。
アリスも取りましたが。
「ここには何千人もいるんだ」
「だからよね」
「番号が当たるなんてことは」
兎がアリスに言います。
「それこそだよ」
「滅多にないわね」
「むしろ当たったら」
そうであるならというのです。
「もうだよ」
「かえって運がいいわね」
「そうだよ」
そう言うべきだというのです。
「本当にね」
「そうなのね」
「だからまず当たらないと思って」
そう考えてというのです。
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