TURAI・TURAI
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第一章
TURAI・TURAI
胃が痛い。
私は今何かと忙しかった、毎日朝早く出勤して夜遅くまで職場にいる。残業代は出るけれど正直今は休みたかった。
「本当にやることが多くて」
「毎日じゃない、最近」
「ええ、朝早くから夜遅くまでお仕事してるわ」
夜遅く家に帰って母に話した、晩ご飯は会社でコンビニ弁当を買って済ませる毎日だ。家はシャワーを浴びて寝る為だけに帰っている状況だ。
「幸い会社に寝泊まりしてないから」
「いいっていうの」
「ええ」
母に答えた。
「そのことはね」
「そうなのね、けれどね」
母は私に心配する顔で言った。
「見るからに疲れてるから」
「休んだ方がいいのね」
「今のお仕事が一段落したら」
そうしたらというのだ。
「有給取りなさい」
「そのつもりよ」
私にしてもだ。
「自分でも疲れ溜まってるってわかるしね」
「それじゃあね」
「それでね」
私はさらに言った。
「今は頑張るから」
「そうするのね」
「そうしかないから」
疲れてストレスが溜まって寝不足でしかも胃が痛くてもだ。
「あと少しね」
「頑張るのね」
「そうするわ」
母に言ってシャワーを浴びて寝た、そして次の日の朝早く起きて仕事に行った。そうした毎日だった。休日も返上だった。
そんな状況が続いた、もう身体も心もへとへとになった。けれど何とか仕事が一段落つくと上司の方から私に言ってくれた。
「お疲れさん、じゃあ暫くね」
「暫くですか」
「有給取ってね」
「休むんですね」
「うん、そうしてね」
「そうさせてもらいます」
正直私も限界だった、それでだ。
その日の午後から有給を取った、もうその足で家に帰ってそうして寝た。それでぐっすり寝てだった。
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