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革命を知らない愚か者

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第六章

「読者もね」
「ざま見ろね」
「独裁者も自業自得の末路だったけれど」
「そう、革命なんてね」
 今は社会人になっている静は冷たい目で話した。
「本当にね」
「碌なものじゃないわね」
「急激に何もかもを変えようとするから」
 それ故にというのだ。
「物凄い歪が出てね」
「犠牲になる人も沢山出て」
「碌でもない独裁者も出てよ」
 前に話した通りにというのだ。
「自由だの平等だのを求めてもね」
「その通りにはならないわね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「まして実は私利私欲だけの屑が革命を起こしたら」
「よくなるどころか」
「もう屑と取り巻きだけがいい思いをする」
「屑国家になるわね」
「それでその漫画でも屑国家になったでしょ」
「あっという間にね」 
 亜美は静に話した。
「そうなったわ」
「そうでしょ、もうね」
 それこそというのだ。
「有能な人材はどんどんクビにするか粛清だったわね」
「周りはイエスマンばかりでね、政治も暴政悪政で」
「ああ、そうなるとね」
「国は面白い位にすぐに傾いて」
「主人公達も戦って楽勝だったでしょ」
「大国だったけれど」
 それでもというのだ。
「無能ばかり出て来てね」
「大軍でも弱かったわね」
「もう何もかもが出鱈目でね」
「それで屑独裁者もあっさりとだったわね」
「取り巻き達と一緒にね」
 そのイエスマン達と、というのだ。
「取り巻きも無能ばかりで」
「腐りきっていて」
「そうそう、それでね」
 まさにそうであってというのだ。
「あっさりとね」
「倒せたわね」
「革命起こして偉大な国になったと言っていたら」
「滅茶苦茶弱くなったわね」
「いや、革命なんてこんなものってね」
 亜美は笑って話した。
「読んで思ったわ、革命よりもね」
「徐々に変えていくべきよ」
「本当にそうよね」
「革命を喜ぶのは馬鹿よ」 
 静は言い切った、そして亜美からその漫画を借りて読んでだった、革命がそれに相応しい結末を迎えたのを読んで笑ったのだった。


革命を知らない愚か者   完


                 2025・2・26 
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