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猫とも仲よしで

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第二章

「三すくみみたいにな」
「仲が悪いんだな」
「かなりな、けれどそれも性格次第でな」
 それぞれのというのだ。
「ふわりだったらな」
「猿や河童ともか」
「仲よくなれてな」
 それでというのだ。
「一緒に遊べるだろうな」
「それなら猫ともか」
「相手の子がああして大人しくて優しいならな」
 そうした性格ならというのだ。
「大丈夫だ」
「そうなんだな」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「これ位は普通だ」
「そうなんだな」
「猫と仲よしになってな」 
 そうしてというのだ。
「一緒に遊べるのもな」
「当たり前か」
「そうだよ」
 こう息子に言った。
 そしてだ、河童巻きを食べてまた言った。
「猿とも河童ともな」
「そうなんだな、しかし親父河童見たことあるのかよ」
「ああ、子供の頃な」
「何処で見たんだよ」
 息子はそこを問うた。
「一体」
「ああ、俺達が暮らしている兵庫のな」
 この県のというのだ。
「但馬の方でな」
「あそこのか」
「ああ、それでな」
 そうであってというのだ。
「川から出て山に入ったのを見てな」
「それでか」
「本当にな」
 まさにというのだ。
「驚いたよ」
「俺達が暮らしているのは八条町でな」 
 息子は今度はビールを飲みつつ言った。
「八条学園があってな」
「あそこ幽霊や妖怪の話かなり多いがな」
「それでもだな」
「ああ、実際にな」
 これがというのだ。
「この目で見てな」
「驚いたな」
「本当にな、それで河童ともな」
「ふわりならか」
「仲よくなれるな」
 こう話した、そしてだった。
 そのふわりを見た、ふわりは今も猫と遊んでいた。仲よく遊ぶその姿には癒しと親しみと楽しみがあった。


猫とも仲よしで   完


                     2025・2・22 
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