ハッピークローバー
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第百五十九話 豚汁その十四
「ジャガイモもね」
「欠かせないわね」
「ドイツだとね」
「ジャガイモ私も好きだけれど」
それでもとだ、一華は言った。
「主食とはね」
「思えないわよね」
「おかずよね」
「肉ジャガとかコロッケとかね」
「おつまみにもなるけれどね」
「フライドポテトとかジャガバターとか」
「そうだけれど」
それでもというのだ。
「主食にはね」
「日本だと違うわね」
「ドイツだとパンとジャガイモね」
「主食はね、私も好きよ」
かな恵はジョッキでビールを飲みながら話した、自分が言った通りのことをしていることに満足もしている。
「マッシュポテトもポテトサラダもね」
「作るのね」
「鳴海っちも好きだし」
彼の名をにこりと笑って話した。
「よく作るわ、ジャガイモ料理」
「鳴海っちジャガイモ好きだったの」
「そうなの、サツマイモも好きで」
「全体的にお芋好きなのね」
「うん、特に肉じゃががね」
この料理がというのだ。
「好きなの」
「そうだったのね」
「カレーに沢山入っていても好きだしね」
「ああ、カレーのジャガイモって美味しいのよね」
富美子はまさにとだ、ビールが入ったジョッキを片手に応えた。
「これがまたね」
「そうよね」
「あれいいわよね」
「鳴海っちが好きなのもわかるわね」
「ええ」
かな恵にまさにと答えた。
「あれはいいわ」
「それで今度ね」
「カレー作るの」
「お家でね、ただどうしたカレーにするか決めてなかったけれど」
「今決めたのね」
「ジャガイモを沢山入れた」
そうしたというのだ。
「野菜カレーにするわ」
「他のお野菜も入れるのね」
「そうするわ」
「鳴海っちの為に」
「ええ、鳴海っちカレー好きで」
それでというのだ。
「お野菜も好きだしね」
「ジャガイモも好きで」
「だからね」
それでというのだ。
「作るわ」
「それで一緒に食べるのね」
「ええ、ただね」
ここでかな恵はこうも言った。
「お野菜だけでもね」
「駄目なの?」
「栄養バランス悪いのよね」
「ビタミンあるでしょ」
「ビタミンはあるけれど」
富美子にそれでもと話した。
「カルシウムや蛋白質がね」
「ああ、ないわね」
「お野菜ばかりだとね」
「そういえばね」
留奈がここで言った。
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