こたつは怖い
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第二章
「そうしたよ」
「それならいいわ、本当にね」
「やることはやらないとな」
「幾らこたつがよくてもね」
妻はこう言った、そしてだった。
部屋の暖房をかなり効かせた、するとだった。
大樹は暑くなってだ、こたつから出て言った。
「出るな」
「暑くなったからね」
妻は微笑んで突っ込みを入れた。
「出たくなったでしょ」
「ああ、足がな」
「北風と太陽でね」
その考えでというのだ。
「こたつから出ないなら」
「周りを暑くするんだな」
「暖房を強くしてね、あと服特に下の方を着せて」
そうしたこともしてというのだ。
「暑くするのよ」
「そうするんだな」
「そう、こたつにもよ」
「やり方があるんだな」
「そう、覚えておいてね」
「わかったよ、じゃあ丁度トイレに行きたかったしな」
夫は妻に笑って話した。
「行って来るな」
「そうしてね」
妻も笑顔で応えた、そうしてだった。
夫を見送って暖房を緩くした、そして今はこたつの中にいるのだった。
こたつは怖い 完
2025・2・16
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