金木犀の許嫁
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第五十三話 家に帰ってその四
「進歩しています、未来はです」
「今以上に科学を取り入れるのね」
「そうしていきます」
「サイバー忍者とか」
「いいですね」
真昼の今の言葉に笑って応えた。
「サイバー忍者になれば」
「恰好いいわよね」
「そうですよね」
「忍者に科学ね」
「最高の組み合わせですよね」
「ええ」
白華にその笑顔で答えた。
「考えてみればね」
「本当に化学を大事にしますから」
「忍術は」
「色々研究もしまして」
「修行の仕方も?」
「はい、長い布を腰に付けて布が地面に付かない位速く走るのも」
この修行もというのだ。
「そうですし跳ぶのも」
「確か成長の速い木を跳び越えるのよね」
「そうするのもです」
「科学ね」
「お薬とか煙玉の調合も」
それもというのだ。
「全部です」
「科学ね」
「化学でもありますが」
「一括りに言えるわね」
「はい、本当にです」
「忍術は科学を大事にしてるのね」
「昔からそうでして」
科学というものが名前として存在していなかった時代もというのだ。
「それが妖術にも思われたかも知れません」
「昔は忍者って妖術使いと変わらなかったわね」
「そんなイメージでしたね」
「ええ」
真昼はまさにと答えた。
「昔の忍者漫画ですと」
「そうなったのもです」
「科学が勘違いされたのも理由の一つね」
「そうです」
「そうよね、まあ流石に変身したり雲に乗ってお空を飛んだりは」
「ないですが」
そうであるがというのだ。
「科学がです」
「勘違いされたのね」
「そうでした」
まさにというのだ。
「本当に」
「そうだったのよね」
「はい、それでこれからも」
「科学を取り入れていくのね」
「修行でも道具でも」
あらゆるものに対してというのだ。
「そうしきます」
「忍術もそうね」
「左様です」
「サイバー忍者になりますと」
幸雄が笑って言ってきた。
「いいですね」
「そうですよね、恰好いい感じで」
白華は幸雄にも応えた。
「強いですし」
「そうですね」
「科学がありますと」
「そしてそれがです」
「それがといいますと」
「忍者のあるべき姿です」
そうだというのだ。
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