彼は いつから私の彼氏?
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12-5
1学期の期末考査、学年トップは若葉で、3点差で大路輝葉と私は2位だった。また、若葉の上にはなれなかった。(神様 どうして その3点を私に授けてくれないの? 私 悪い子だから? 翔琉と・・・しちゃったから?) だけど、私は絶対に全中個人決勝で頂点に立つと決意していた。(神様 お願い 今度は 私を・・・ 私の 脚・・・手・・・困るけど、二つあるおっぱいなら 片方あげてもいいわ ひとつあれば 赤ちゃんにあげれるし・・・翔琉には・・・兼用してもらうから・・・)
夏休みに入って、直ぐの高校総体大阪予選では美ひろ先輩は個人戦で優勝していて、団体戦でも我が校は圧倒的強さで優勝していたのだ。その後は、私達の全中の大阪大会なのだ。
石切監督は、団体戦の初戦に、トップ 香、2番手に白川輝葉、そしてダブルスには莉子とひなた、4番遥香、5番若葉を指名していた。2戦目はトップ 遥香、2番押切美実、ダブルスには莉子とひなた、4番香、5番若葉だった。
個人戦では、準決勝に勝ち上がったのは、花梨、香、若葉、私達太子学園の四天王だった、花梨は準々決勝で忍埜山の見沼川七菜香をフルセットの末 勝ち抜いてきたのだ。私の次の相手は花梨とだったのだけど、私は監督にお願いして棄権にしてもらったのだ。時々、左の膝がビクッとすることがあるし、本当は、今 花梨と闘いたくなかったのだ。花梨とは、全中の本戦で決着を付けると決めていたのだ。結局、花梨と香との決勝になって、花梨が優勝していた。
団体戦のほうも、私は大事をとって休んでいなさいという監督の言葉で、棄権していて、ダブルスは、莉子とひなたの組み合わせに若葉とひなたの組み合わせで戦っていて、二色が浜中学を破ってきた忍埜山女学園中学との決勝だったが、圧倒的に3-0で優勝していた。だけど、向こうは2年生と1年生主体のチームなので来年は強敵になるのだろう。
翌日は休みで、その後はお盆前に3日間は強化練習なのだ。私は、膝の調子が良く無くって、かばいながら練習していたのだけど、花梨は私の異変に気付いていたのだろう、若葉に
「なぁ 今 疲れもピークや 強化練習も大切やけど ここで、身体痛めたりしたら どうもならんでー 皆には、無理せんよーに言いなぁ」と、私に聞こえるように言っていた。花梨は私のことは何でもわかっているのだろう。私の脚の調子も・・・
練習が休みになっての初日の12日。朝 お母さんが仕事に出掛けようと玄関を開けた時
「あらっ みずきちゃん どうしたの?」と、大きな声で・・・
「水澄 水澄 みずきちゃんが門のところで待ってるのー」と、洗い物をしていた私に声を掛けてきた。
「みずき 9時からやゆうたやろー まだ8時半やでー」確かに、昨日 みずきから一緒にジョギング゛したいと言われていて、まぁ と了承していたのだけど
「いいんです 待ってます」
「待ってますって そんな暑いとこで・・・ まぁ 玄関の中ででも 待ってて」
「いいんです 動いて待ってます」
「・・・じゃぁ 早く済ませるね」と、言っていたら、お兄ちゃんが珍しく早い目に降りて来て、みずきちゃんに声を掛けていた。お兄ちゃんのお気に入りの子なんだからなのだろう。昨日までは、この暑いのに走るのかよー とか、文句言っていたくせに・・・。
私 せかせられるように急いで着替えて、出て行って、3人で中央公園までジョギングして、少し休んで帰ってきた。往復1時間程なのだ。だけど、みずきちゃんは
「午後からも 来ますね」と
「えぇー ・・・あのね」
「お願いしますよー 私 他の子に負けとぉーない! 水澄先輩なんて 1年の時 全中の本戦にリザーブとして行ってるやないですかー 私は それから比べたら・・・ まだまだなんです どんどん厳しくして欲しい 5月に合宿に連れて行ってもらって 為になったし、勉強にもなりました あれからも 頑張ってるつもりなんですけど・・・」
「うん 確かに 頑張っているし、すごく伸びたと思うわ・・・ わかったわ 今日と明日だけね 明後日から 私のとこ留守にするからー」
「わぁ~い 有難うございます お昼 食べたら また 来ますネ」
「うっ うん 1時半よ! 早いのは ダメよ!」
私は、お昼に誘われていたのでおばあちゃんチに行って、おにぎりを用意していてくれてたので
「ねぇ おばあちゃん? これ2つ お兄ちゃんに持って行っていい?」
「ええ いいわよー 2つで足りるのかい?」
「うん カップ麺もあるからー」
「カップ麺ねぇ・・・こっちの海苔を巻いたのが梅干しで こっちが甘いめのちりめん山椒よっ」
私は、急いで家に行って、お兄ちゃんに「テーブルにおにぎり置いておくからね」と伝えて、戻ってきて「感激してたよー」と、お兄ちゃんの顔は見て無いのだけど、適当なことを言っていた。
「お兄ちゃんって 達樹君のことだろう? あの子ね 少し前 庭の枝を切ってくれたのよ 私が切っていたら、通りがかって、代わりに・・・って 水澄ちゃんと同じで優しいよねー」
「へぇー そんなことがあったんだー 普段 ぶっきらぼうなんだけどね まぁ 私には優しいカナ! いつも それとなく 援護してくれるの」
「そうかい 男はね それっくらいが良いんだよ 優しくてね あと 真面目に働いてくれたらネ」
「ふ~ん ねぇ ご主人もそんな人だったの?」
「そーだね 口数も少なくて 仕事も真面目にやってたみたいよ」
「おばあちゃん 幸せだった?」
「だなー 平穏無事だったし 亡くなった後も、生活に困らないように残すもんはちゃんと残していてくれてたからねー 見送った後は、寂しくて泣いていたけどー もう 独りに慣れちゃったからね でも 今は 思いかけず 水澄ちゃんという可愛い孫も居るからね 幸せだよ」
「うん 私も ウチの両親は親戚も居ないから おばあちゃんが居てくれて楽しいよ!」
昼からみずきが来た時に、ウチは狭いからと、おばあちゃんチのお庭を借りてトレーニングをしていた。私は、ステップするのは控えていて、もっぱら、みずきの素振りとかを見ていたのだ。次の日もそんな調子だったのだ。
私は、少し不安になっていたのだけど、旅行の間の2日間は休むつもりだったので、その間に痛みは和らぐだろうと安易に考えていたのだが・・・
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