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金木犀の許嫁

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第五十二話 歴史の真実その九

「確か娘さんはお二人で」
「娘さん少ないですね」
「曹操さんみたいだね」
 三国志で有名な人物だ、曹操は息子が二十五人娘が二人だったという。
「そこは」
「男の子が沢山生まれる家系だったのでしょうか」
「少なくとも家康さんはそうかな」
「そうでしたか」
「それで徳川家は断絶する心配なくて」
 そうであってとだ、佐京はさらに話した。
「家康さんの能力と人望がね」
「凄くて」
「石高も官位もあったから」
 当時随一の二百五十万石そして官位は内大臣にあった、その為当時彼はよく内大臣即ち内府と呼ばれていた。
「次の天下人にね」
「なれましたか」
「もう自然に」 
 そうした流れでというのだ。
「天下人になろうとしていたんだ」
「そして大坂乗っ取りですか」
「それで済んだらね」
「大坂の陣もなかったですか」
「考えてみたら」
 佐京は腕を組んで妹に話した。
「秀頼公暗殺したらね」
「終わりですか」
「家康さんずっと大坂城にいたしね」
 豊臣政権の中枢にあってだ、それこそ十年単位で詰めていた。
「隅から隅まで知ってたと思うし」
「抜け道とかも」
「しかも伊賀や甲賀の人達もいたよ」
 今度は自分達と同じ忍者の話もした。
「家康さんの下には」
「そうでしたね」
「そしてどちらの人達も」
 伊賀者も甲賀者もというのだ。
「凄かったから」
「だからですか」
「若し家康さんが秀頼公を暗殺しようと思ったら」
「簡単に出来ましたね」
「家康さんも大坂城のことを知ってたし」
 それこそ隅から隅までというのだ。
「伊賀や甲賀の人達も家康さんと一緒にいたから」
「大坂城のことを知っていましたか」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「もう大坂城に忍び込んで」
「そのうえで、ですね」
「秀頼公暗殺なんて」
 そうすることはというのだ。
「もうね」
「簡単でしたか」
「そして秀頼公がお亡くなりになったら」
 そうなればというのだ。
「もうね」
「その時点で、ですね」
「豊臣家は終わりだから」
「お家断絶ですね」
「誰もいなくなってね」
「そうなっていましたか」
「真実はどうでも」
 家康が秀頼を暗殺してもというのだ。 
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