先生と助手が仲良すぎて嫉妬されるお話
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第八話 助手は何者?
「うーん...?」
目が覚める。知らない天井だ。
「痛たた...」
身体を起こそうとするがそれを阻止するように腹部に激痛が走る。
先生「三隈君!起きたのか!」
「先生...」
先生「いま医者を呼んでくる」
あぁそうか私は刺されて...
医者「お目覚めになられたんですね」
「はい...」
医者「無理しなくて大丈夫ですよ、そのままの体勢で結構です。」
医者「それでは、お話します。」
医者が言うには私は丸1日目を覚まさなかったらしい
だが先生が早くに見つけて処置をしてくれたお陰で、幸い軽傷で済んだ。
医者「では、私はこれで」
ガララ...
「その先生...ありがとうございます...」
先生「いや、いいよ。それよりも無事でよかった」
彼は安堵の表情を浮かべる。そんなに心配されたのか、なんだか嬉しいな。
先生「で、誰にやられたんだい?」
「それは...」
言ってもいいのか?早瀬ユウカに刺されたと言ってもいいのか?もし言ったら先生はどう思うだろうか。
それが絶望や失望なら絶対に避けなければいけない。
私としても先生が生徒を敵視するようになるのは何としてでも避けたい。
「ちょっと、転けたら運悪くカッターナイフが刺さっちゃって」
なんともバレバレな嘘をついた。
先生「...そっか」
先生「ま、無事で本当に良かったよ」
先生は納得してくれた。それは単に先生が鈍感なだけか、それとも優しさからか、分からない。
先生「ま、早く退院して業務手伝ってね笑」
「はい、本当にすみません...」
先生「謝らなくていいよ!」
そんな会話を交わして先生はシャーレへと帰って行った。
「はぁ、痛っ...」
そっと腹部に目をやる、そしたら血が滲んでいた。
「傷口開いちゃったか...」
~~~数日後~~~
あれからというもの特段何事も無く無事に退院した。
連邦生徒会では私を刺した犯人を探すのに躍起になっているらしい。
先生「うん、おかえり」
「ただいま戻りました」
先生「じゃあ、早速で悪いんだけど業務手伝ってくれる?」
「はい」
先生「ありがとね」
私と先生は仕事をする。前より作業ペースが落ちたような気がするな。
あれから1時間ほど仕事をしていた。
なんだか視界がクラクラする。それにぼーっとしてきた
先生「ん?大丈夫?」
「だ、大丈夫です...」
先生「あれだったら無理せずに休憩すればいいよ。」
先生は本当に優しい、男の私でも惚れてしまいそうなくらいにだ。いや、私は絶対に男に惚れるなんてことは無い。絶対にだ。
その時、扉をノックする音が聞こえてくる。
先生「あ、当番の子かな、どうぞー」
リン「失礼します」
先生「あれ?リンちゃんがこっちに来るなんて珍しいね」
リン「誰がリンちゃんですか...」
リン「今日は助手さんにお話がありまして」
「え?私ですか?」
先生「そっか、わかったよ」
リン「ここでお話をお伺いさせてもらっても宜しいですか?」
先生「うん、いいよ」
リン「ありがとうございます」
私は連邦生徒会の首席行政官と対面する形でソファーに座る。
リン「それでは早速ですが、貴方を刺した犯人について何か覚えていることがありましたらお話ください」
「えっと...」
先生「リンちゃん、彼は覚えてないみたいなんだよ」
リン「そうですか...」
先生が私の代わりに答えてくれた。やっぱり先生は凄い人だ。
リン「では、他に刺されるような事をした心当たり等は...」
「それもないです...」
リン「まぁ、そうですよね、まだここに来てから1ヶ月も経っていませんから。」
リン「わかりました、これで終わります。今日はありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ」
先生「リンちゃん、ありがとね」
リン「誰がリンちゃんですか...」
リン「それでは失礼します」
彼女を見送って執務室に戻る。
先生「お疲れ様」
~~~アビドス高等学校~~~
ホシノ「どうもあの助手とかいうの気に入らないんだよねー」
シロコ「ん、ホシノ先輩。」
ホシノ「先生と仲良すぎっていうか、私の彼氏なのに。」
セリカ「それになんか怪しい。経歴調べたけどほとんど黒塗りだった」
アヤネ「えっ...っていうかどうやって調べたんですか!?」
ホシノ「怪しい大人は早めに排除しないとね」
セリカ「だね、ホシノ先輩」
アヤネ「ちょ、ちょっと排除だなんて!」
シロコ「ん、先輩。それはダメ」
ノノミ「そうですよー、ホシノ先輩!」
ホシノ「いい?皆、これは委員長命令だよ」
一同「「「っ...」」」
ホシノ「わかった?」
一同「「「は、はい...」」」
~~~ゲヘナ 風紀委員会~~~
アコ「助手について調査いたしました。」
ヒナ「報告して」
アコ「それが、経歴はほとんど黒塗りで詳細が一切分かりませんでした...」
ヒナ「そう...わかったご苦労さま」
ヒナ「(一体何者なの...)」
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