先生と助手が仲良すぎて嫉妬されるお話
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第一話 赴任先はキヴォトス
“ドアが閉まりまーす”
「ここがキヴォトスか...」
「にしても疲れたー」
私こと三隈勇吉は今日、キヴォトスに赴任して来た。
理由はなんでもシャーレと言う所で先生の助手をして欲しいと言われたからだ。
「さて、向かいますかね」
~~~シャーレ~~~
先生「うん、わかったよリンちゃん」
先生「うん、はい、はーい」
ガチャリン(電話を切る音)
コンコンッ
先生「どうぞ」
「失礼します」
「今日から配属になりました三隈勇吉です」
先生「うん、よろしくね」
彼が先生か、見た目は好印象な青年だ。歳は...なんだか近い気がする。
先生「私はシャーレで先生をしている〇〇。先生って呼んでくれたらいいよ。」
「分かりました。これからお世話になります先生」
先生「うん、こちらこそ」
先生「じゃあ、三隈君の席はここだから。私はコーヒー淹れてくるね」
「ありがとうございます」
そういって先生はキッチンに向かう。席の椅子に荷物を置いて部屋を見渡す。なかなかに広くて快適だ。
先生「そんな見渡しても面白いものなんかないよ笑」
「あ、いえ...」
先生はコーヒーを淹れて持ってきてくれる。テーブルにコーヒーを置き、向かい合うようにお互いソファーに腰をかける
先生「それで、三隈君はここに来る前は何してたの?」
「えっと、地元の方で教師を...」
先生「そっか!なら頼もしいね」
「いえ、そんなお役に立てるかどうか分かりませんが...」
先生「いやいや、きっと良い先生になれるよ」
「? 私は助手ですから先生では...」
先生「え?聞いてないの?」
「?」
なんだ?もしかしてなにかあるのか?
先生「君は私の助手兼先生だよ?」
「じょ、助手兼先生?」
聞いていない、私は助手としか聞いていない。あのハゲまた騙しやがったな。
先生「その様子だと聞いてないみたいだね...」
「す、すみません...」
先生「いやいや、謝らなくていいよ。こっちの不手際だから」
その時、扉がノックされる。
先生「ん?今日当番無しにしたはずなんだけどな...」
先生「どうぞー」
ユウカ「失礼します」
先生「ユウカ?なんの用かな?」
ユウカ「なんの用って、はぁ...」
紫色の髪の女の子がそこに居た。ここは髪色に規制は無いのか?
その時向こうも私に気づいたようだ。
ユウカ「あら?お客さん?」
先生「あぁ、言ってなかったね」
先生「この人は私の助手だよ、今日から配属になったんだ」
ユウカ「そうですか、よろしくお願いします」
そういって彼女は頭を下げてきた。慌ててこちらも頭を下げる
「よ、よろしくお願いします!」
ユウカ「それで先生?このレシートはなんですか?」
先生「げっ...なんでユウカが...」
「?」
ユウカ「言いましたよね?次隠したら怒るって!」
先生「ご、ごめんユウカ...」
ユウカ「もう!先生って肩書きを持ちながらこんなだらしないなんて!」
先生「ごめんね...」
彼女はそういって私なんか置いてけぼりで先生に対して説教を始めた。その内容を聞くに、先生に非があるようには見えないが...
そうして小一時間ほど説教して満足したのか彼女は先生を解放した。
ユウカ「分かりましたか!?本当に次は無いですからね!」
先生「はい...」
ユウカ「それじゃ!失礼しました!」
バタン!
先生「はぁ...」
「せ、先生...」
先生「あ!ごめんね!こんな見苦しい所見せちゃって!」
「い、いえ大丈夫です...」
「それよりも彼女に家計簿付けさせてるんですか?」
先生「あぁ...そうなんだ...」
「よかったら私に付けさせてくれませんか?」
先生「え?いやでもユウカが...」
「その、ユウカさん?は学生ですし先生の家計簿付けさせるのはなんと言いますか...違うと言いますか...」
先生「...だよね」
先生「私も思ってたんだ。生徒に付けさせるのはどうなのかなって。」
「なら」
先生「うん、これからは三隈君に任せるよ。」
「ありがとうございます!」
先生の助手として先生の身の回りの世話も仕事の範囲だ。そうこれは仕事なんだ。
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