世界の礎
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第五話 ナイル川その十
義青は実際に今の領土の統治に専念し農業だけでなく漁業に商業それに手工業にも力を入れていき。
国を富ませた、そしてだった。
義青は内政が一段落したところでだ、今度はこう言った。
「エジプトから西に進む」
「アフリカをですね」
「そうするのだ」
コムに話した。
「サハラ砂漠の北をな」
「そうして領土を拡大するのですね」
「今度はな、だが砂漠には入らない」
サハラ砂漠にはというのだ。
「あの砂漠は獣やモンスターも多いしな」
「非常に危険な地域です」
「だからだ」
そうした地域だからだというのだ。
「今はな」
「入りませんか」
「カルタゴを勢力圏に収め」
そうしてというのだ。
「ジブラルタルまでだ」
「掌握しますか」
「欧州側の北岸までな」
「そうしますか」
「そして地中海を掌握してな」
そのうえでというのだ。
「シチリア島も掌握してだ」
「地中海を我等の海とする」
「そうする、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「あの海の利益を得る、だが欧州は掌握しない」
「あちらはですか」
「欧州よりも他に掌握すべき地域が多い」
だからだというのだ。
「だからな」
「欧州は、ですか」
「後だ、あの地域は寒冷な場所ばかりで土地も痩せていてな」
そうであってというのだ。
「未開だ、そうした地域だからな」
「他の豊かな地域に進みますか」
「そうする」
コムにこう話した。
「地中海を掌握した後はな」
「あくまで地中海の利益を掌握するのですね」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「欧州の諸勢力、ローマの方にそれなりのものが見られるが」
「彼等には何もしませんか」
「商いをするだけだ」
今はというのだ。
「そして手出しをしてくるならだ」
「その時は」
「我等の地中海の水軍を以てだ」
「今地中海最強ですが」
「それを用いてな」
「退けますね」
海軍大臣のキトが言ってきた。
「そうしますね」
「そうする、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「地中海の交易と漁業の利益をだ」
「手に入れますね」
「そうする、ただ独占はしない」
「それはしませんか」
「利益を独占すると他国の反感を買う」
そうなるというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「独占はせずな」
「他国にもですね」
「利益が行き渡る様にする」
そうするというのだ。
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