おぢばにおかえり
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第八十四話 日常を過ごせるのもその三
「もうね」
「そうなんですか」
「そう、詰所だけじゃなくて」
「奥華の人ならですか」
「皆知ってるよ」
「そうですか」
「見たらわかるよ」
そうだというのです。
「阿波野君のことはね」
「わかりますか」
「奥華の会長さんもわかってるんじゃないかな」
「お父さんとお母さんもですか」
「もうね」
笑顔での返事でした、ここでも。
「有名だしね」
「新一君が」
「彼もう奥華でも有名人だよ」
そうなっているというのです。
「誰でも知ってる位のね」
「それでなんですか」
「何かとね」
「皆知ってますか」
「それで千里ちゃん跡継ぐよね」
このお話もされました。
「奥華を」
「長女ですから」
三人姉妹のです、このことを忘れたことはありません。
「ですから」
「それじゃあお婿さん必要だね」
「どなたか来てくれたら」
それならです。
「有り難いです」
「どんな人がいいかな」
「おみち熱くて真面目で浮気しない人ですね」
私はすぐに答えました。
「あとひのきしんも最低でも言われたらする位の」
「自分で進んでしたら一番いいね」
「はい、時々でも」
それ位ならです。
「いいです」
「外見はどうかな」
「それは別に」
要は性格だからです。
「構わないです」
「背が高いといいかな」
「そうですね、私小さいですから」
このことはコンプレックスでもです。
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