彼は いつから私の彼氏?
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11-7
3学期の期末考査が終わって、成績順位が1日だけ発表されて、Sクラスの大路輝葉がトップになっていた。若葉は2番で私は3番のままだった。
「若葉 抜かれたね」
「うん まぁ 何点かの差やし その時の運もあるしなー しゃーないヤン それより 花梨が5番やでー あの子 頑張ってるよなー 香も6番やでー 四天王は頑張ってるよね! 普通クラスで10番以内はウチ等だけやでー」
「うん 石切監督も胸張ってるやろな クラブの補助金も堂々と貰うんやろなぁー」
そんなことを話合っているうちに春の合宿を迎えていた。今年も、お誕生日のお祝いと言って、私のシューズをお父さんが買ってくれて、新しいシューズで迎えていた。いつもの琵琶湖沿いの旅館に着いて、お弁当を食べたら早速 砂浜を走らされて、体育館に戻って、うさぎ跳びからジャンプしての体育館の往復。途中でへたばったら、もう1往復なのだ。1年生の中にはへたばる者も続出で監督は「途中で止まるのは良いけど、崩れ落ちるのだけはよしなさい」と、励ましながら続けさせていた。合宿には、響先輩も合流してくれていて、後の高校の合宿にそのまま参加すると言っていた。
「花梨と水澄と打ち合おうと思ってな うちの今度の1・2年生より あんた等のほうが 上にいってると思うでー」
「うん 私等も 響先輩とやり合ったら うもぉーなるから いろいろと教えてください」と、私も歓迎していた。
「あのね 合宿の後 今年も都女学院と練習試合することは聞いているよねー 今年から あそこに本堂監督が就任したのよ」
「へっ 監督は 忍埜山女学園じゃぁー」私はびっくりした。
「うん 私もカナって思っていたんだけど・・・都女学院に今度2年生で鐘ヶ淵翠って子居るの知ってる? 去年の京都大会の個人で優勝した子 でも 全中には身体壊していて出て無かったわ」
「えっ 去年は1年生でしょ?」
「そう でもね スマッシュも強烈でバックもチキータで・・・攻めが早いの 相手のサーブを直ぐに攻めて返すし、自分のサーブでも返ってきたら3球目攻撃よ 小学校の時からも注目されてたみたいだけどね それでね その子も忍埜山に声掛けられていたみたい どういう訳か 堂本監督が都女学院に行くことになって 二人で 全国を目指そうってなったらしいのよ だから、鐘ヶ淵翠も思いとどまったってわけ 今度の練習試合で 対決ね」
「はっ そんなにすごいんですか?」
「らしいわよ 私は 見たことないけど あー ひなた 京都だから 知ってるんじゃぁない?」
次の日からは、去年を知っている私達にとっても地獄だった。朝一番と午後からの一番 柔軟の後の25分間の砂浜でのジョギングに最後の5分間は全力疾走なのだ。そして、体育館に移動してのうさぎ飛びジャンプ そして、15分間の素振り 監督と響先輩からは「腕を振ってるだけになってるわよー もっと ボールを打ち込むつもりでやんなさい 楽しようとするな! このー バカ」とか罵声が飛んでいた。
早速、2年生の何人かが、素振りが鈍いとかで、体育館の端でうさぎジャンプを・・・さすがに、今年は 「私はドジでノロマなうさぎです」っていうのは言わされなかったのだけど。けど、もう 辛くって涙を拭いている子もいたのだ。
そして、午後からは3年生の釘本遥香に莉子もうさぎジャンプのとこに居たのだ。その脇では響先輩の罵声が飛んでいた。「あんた等は何で こんなことやらされてるかわかってる? 自分に甘えてたからだよ! このバカすけがー 泣くくらいなら反省しろ! 己を捨てて違う自分になれ!」と、無茶苦茶なことを叫んでいる。おそらく、響先輩はそーいう役目で参加したのだろう。その途端に莉子も涙を流しながらも跳んでいたのだ。だけど、遥香は 「私はドジでノロマなうさぎです」と、言いながら続けていた。
合宿中、響先輩は私達4人に遥香、ひなた、莉子に代わる代わる打ち合いの相手をしてくれていて、都度 アドバイスをしてくれていたのだ。だけど、私と花梨を呼び寄せて
「あんた等 1月に美ひろ先輩と練習してもらって 何を学んだのよー 確かに球は早くなっているわ でも それだけじゃぁーない それから 何 練習してきたの のんべんだらりと・・・ もっと 相手の動きを考えなさい! 香なんて ず~と進化しているわ」と、厳しい声で叱られていたのだ。
「何 なに? 花梨 私等 叱られたの? なんか 悪い?」
「・・・ 水澄 辛いよねー ウチ等一生懸命のつもりなんやけど・・・ 香のことは褒めてたよねー なんとなく 響先輩の言っていることもわかるんやけど・・・ 確かに響先輩は 中学の時とは 圧倒的に違うんやー けど・・・」
最終の日の午前中はトーナメント方式で個人戦が組まれているのだ。準々決勝には遥香が残っていて、花梨と対戦して、試合では2-2で最終ゲームで何とか花梨が勝利していた。どうしたの花梨と、思っている私もひなたに2ゲーム連取の後2ゲームを続けて取られていたのだ。最終ゲームでは結果的に勝ってはいたのだけど。こんな調子ではないはずと思いつつ準決勝は私達4人の戦いになって、結果 香が優勝していた。
午前中の練習で打ち上げなのだけど、私と花梨は響先輩に命じられて、二人残ってのうさぎ飛びジャンプを体育館3往復させられていた。
「あんた等 もっと 去年に戻って考えなさい! 何が足りないのか そのままじゃぁー 全中の大会にも行けないよ! このノロマ!」と、響先輩の言葉は厳しかったのだ。
途中から、花梨は「私はドジでノロマなうさぎです」と、念仏のように言い出したので、私も続いていた。だけど、だんだんと涙が滲んでいたのだ。悔しかった。3往復 終わった時、花梨も眼が赤かった。
「水澄 悔しいけどなー いまさら こんなん・・・でも ウチはやりながら 去年を思い出していたんや あの時は 恥ずかしくって、悔しくて、もっともっと 上に行くにはどーしたらええやろーって 思いながら飛んでたんやー なぁ ウチ等 今 それに欠けてるんちゃうやろかー」
「そやねー 甘えてしまってるんかも 香なんか もっと 必死やもんね それに、遥香も」
「そやねぇー 響先輩はウチ等に 今までと同じパターンやったら 相手に研究されて終わりやって言ってるんや 特に ウチ等は全国からターゲットになってるんやもねー」
「うん やってやろーやー 響先輩に私等の実力を見せたるわー」
と、私と花梨は決意を新たにしていた。でも、なぜか お互いにおっぱいを掴み合って笑っていたのだ。ふたりの絆・・・
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