| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百八十六話 海賊の食事その四

「これがね」
「そうだったんだ」
「それでね」 
 そうした状況でというのだ。
「壊血病の原因がわかっても」
「死ぬ人いたんだ」
「そうだったのよ」
「いや、それは駄目でしょ」
 蝉玉はその話を聞いて呆れた。
「絶対に」
「うん、人の命がかかってるから」
 スターリングも言った。
「お金の問題じゃないよ」
「どうせそのお役人貴族で」
「当時の欧州じゃそうだしね」
「平民の船乗りの命なんてね」
「どうでもよかったね」
「そうした考えで」
 それでというのだ。
「果物積まなかったのね」
「お金をケチって」
「最悪よね」
「流石欧州だね」
「エウロパよね」
「結局あそこはね」
 スターリングは嫌悪を込めて言った。
「お貴族様なんだよ」
「貴族主義よね」
「貴族が一番で」
「平民は奴隷でね」
「他の国の人達なんてね」
「奴隷以下のね」
 蝉玉はまさにと言った。
「塵芥」
「そんな風だね」
「今もそんな考えだし」
「その頃もね」
「全く同じで」
 そうであってというのだ。
「果物位って思うけれど」
「命に代えられないからね」
「欧州じゃ高価でも」
「寒くて栽培しにくくて」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「普通はね」
「買うわよ」
「そうだよ」
 スターリングはまさにと答えた。
「そうするよ」
「それがね」
「あそこはね」
 エウロパはというのだ。
「しないで」
「それでね」
「もう死んでもいい」
「そんな考えだったわね」
「十八世紀末になって」 
 ペリーヌは言った。
「やっとイギリス海軍でもね」
「果物積む様になったのね」
「クックさんのお国で」
「そうだったのよ」
 これがというのだ。
「そんな有様で」
「それまでは」
「壊血病あったんだね」
「そう、その果物最初はレモンで」
 イギリス海軍が積んだ果物はというのだ。
「ライムになったらしいわ」
「ああ、あの果物だね」
 トムはライムと聞いて言った。
「すっぱい」
「そう、あれをね」
「積む様になったんだ」
「そう、けれどね」
 ペリーヌはこうも話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧