ハッピークローバー
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第百五十八話 デマコーグその六
「普通はね」
「人間は食べないわね」
「そうよ、それで五穀っていうでしょ」
「お米に」
理虹は日本人としてまずこの穀物を挙げた。
「麦、稗、粟、大豆ね」
「それで本当に何でも食べるけれど」
そうであるがというのだ。
「調理方法があるから」
「中国の人達って生もの食べないわね」
「火を通すわ」
「基本そうするわね」
「冷えたご飯なんてね」
それこそというのだ。
「出されたらね」
「怒るわよね」
「冷えたご飯は食べるなって」
その様にというのだ。
「教えられる位よ」
「中国では」
「そう、冷えたご飯食べるって犯罪者だから」
刑務所の中にいるというのだ。
「だからね」
「アウトよね」
「人としてね、それで納豆みたいなのは」
「中国でもないのね」
「いや、臭いし外見悪い食べものはあっても」
それでもというのだ。
「もうね」
「納豆みたいなのはないのね」
「中国にはないし」
そしてというのだ。
「他の国もないから」
「シュールストレミングレベルなのね」
「ええ、ただ日本人ってブルーチーズ苦手よね」
中国の娘はこうしたチーズの話もした。
「ウォッシュチーズだってね」
「ああ、ああしたチーズね」
理虹はとても嫌そうな顔で応えた。
「臭過ぎるから」
「納豆の方が臭いでしょ」
「そうかしら」
「臭いわよ」
実際にというのだ。
「滅茶苦茶ね」
「そうかしら」
「ウォッシュチーズ以上にね」
「あれ以上って」
「私達から見るとね」
そうすると、というのだ。
「そうよ」
「かなり意外だけれど」
「そこでそう言うの日本人だけだし」
意外という言葉を出すのはというのだ。
「納豆はウォッシュチーズを越えた臭さよ」
「シュールストレミングよりまし程度ね」
「最早ね、けれど身体にいいのよね」
「大豆だからね」
理虹はそれでと答えた。
「だからね」
「そうよね」
「健康にいいのよ」
「そうなのよね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「食べていいのよ」
「あれよね」
中国の娘はまたみっくちゅじゅーちゅを飲んで言った。
「ヨーグルトと一緒よね」
「発酵させてるからね」
「原理は同じよね」
「納豆はね」
「まあヨーグルトも甘くしないとね」
どうかとだ、理虹に言った。
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