おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその八十七
「見ていて悪い部分に気付いて」
「そこから嫌いになっていくわね」
「大体そうです」
「聞いただけで嫌いになるのは先輩達に対してだけ?」
「そうです」
実際にというのです。
「僕は」
「それじゃあね」
そのお話を聞くとです。
「尚更おかしいわね」
「僕があの人達を嫌う理由は」
「訳がわからないわ」
人を見てから嫌うのにです。
「どうもね」
「普通お話聞いただけじゃ嫌わないです、僕も」
「まずはじっくり見るのよね」
「さもないとわからないですから」
だからだというのです。
「人って」
「そう考えてるのね」
「いつも」
「それはね」
新一君を見ているとです。
「見たことしか言わないしね」
「巨人もそうですね」
新一君はアンチ巨人でもあります、巨人は一億年位ずっと最下位しかも勝率一割台であるべきとか言っている位です。
「見てです」
「嫌いになったのよね」
「嫌いな親戚も応援してまして」
「その坊主憎ければも新一君ね」
実にらしいです。
「つくづくね、けれど見て」
「それで嫌いになります」
「聞いただけじゃならないわね」
「絶対に」
それはというのでした。
「普段は」
「それでどうして嫌いになるのか」
どうしてもです。
「わからないわ」
「いや、自分でも不思議です」
「会う前から三人共嫌ってたでしょ」
「そうでしたね」
「初対面か嫌いオーラ出して」
新一君独特のそれをです。
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