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八条学園騒動記

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第七百八十五話 壊血病その四

「逆もね」
「あったんだ」
「当時はね」
「そうなんだ」
「ええ、あとね」
 ペリーヌはさらに話した。
「水兵さんの募集なんてね」
「軍隊の」
「海軍のね」
「それが何かあったの?」
「イギリスは強制的にね」
「無理矢理?」
「その辺りにいる人を捕まえて」
 そうしてというのだ。
「船に放り込んでね」
「水兵さんにしていたの」
「拉致したり」
 そうもしたりというのだ。
「酔わせてね」
「動けなくしてなんだ」
「船に放り込んだりね」
「していたんだ」
「病気で動けない人まで」
「それで戦えるの?」
「数さえあればいいってね」 
 その考えでというのだ、悪名高きロイヤルネービーの強制徴募隊である。実際に行っていたことである。
「その考えでね」
「滅茶苦茶だね」
「それで船乗りになった人もね」
「いたんだ」
「あの頃はね」
「物凄いことだね」
「ええ、そうした時代だったのよ」
 ペリーヌは話した。
「海はね」
「無茶苦茶過ぎて」
 スターリングも呆れて言った。
「何て言うか」
「病気の人は駄目でしょ」
 蝉玉も呆れている。
「流石に」
「そうだよね」
「それをやるってね」
 それはというのだ。
「もうね」
「駄目だよね」
「戦力にならないわよ」
「今だと人権侵害の極みだね」
「攫って無理矢理水兵さんにするとか」
「それを軍隊がやるとかね」
「今じゃ考えられないわね」
 蝉玉は呆れたまま言った。
「本当に」
「そうだね」
「ただね」
 ここで蝉玉はこうも言った。
「人を攫って兵隊さんにするのは他にもあったわね」
「ああ、あれだね」
 スターリングはすぐに言った。
「プロイセンの巨人兵とか」
「街で背の高い人がいたら」
「ぶん殴って気絶させて」
「攫ってね」
「他の国でもね」
 プロイセン以外の国でもだ。
「拉致までして」
「兵隊さんにしていたわね」
「これも滅茶苦茶だけれどね」
「当時も問題になったそうだし」
「そりゃ他の国の人を拉致したら」
 そうして兵隊にすればというのだ。
「確実にね」
「問題になるわね」
「ならない筈がないね」
「そうよね」
「凄いわね、確かそれやったのって」
 ペリーヌは二人の話を聞いて言った。 
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