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世界の礎

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第四話 海その四

「干したりしてもな」
「いいのですね」
「だからだ」
 そうしたものだからだというのだ。
「海でもな」
「食べるものを得るのですね」
「そうするのだ、海のものも美味いしだ」  
 それにというのだった。
「食べるとそれだけ多くの者が養え売ることも出来る」
「だからですね」
「手に入れていく」
「そうしていきますか」
「これからはな、それに川にこれまで以上に船を行き来させ」
「ものや人を運ぶのですね」
「そうだ、チグリス=ユーフラレス川はそういったことにも用いることが出来る」
 このことも言うのだった、義青はその頭の中で輸送や移動のことを頭に入れてそのうえでカニに言うのだった。
「だからな」
「それで、ですね」
「船を増やす」
 そうするというのだ。
「そして行き来を盛んにする」
「それでは」
「海はこれから重要になる」
 既にそのことを頭に入れている声だった。
「だからな」
「軍艦を建造し」
「そしてだ」
「海の幸も手に入れていきますね」
「そして食べて売るのだ」
 こう言ってだった。
 義青は実際にシリアやヘブライの地にも進出しそちらの国々に降る様に言い降らねば大軍を送ったが。
 ある街を攻める時にだ、彼は術を用いる兵達を率いるサコル猫人の男である彼に対してこう命じた。
「城門に集中的にだ」
「術を浴びせますか」
「投石器の石もだ」
 攻城兵器であるそれのというのだ。
「浴びせるのだ」
「城門にですね」
「一つの場所に集中的に攻撃を浴びせるのだ」
「あの街の守りはかなり堅固ですが」
「城門を攻めてもだな」
「容易には陥落出来ません」
「そうだ、だからそれはだ」
 城門への攻撃はというのだ。
「敵の目を引き付けるものだ」
「そうなのですか」
「その間に穴を掘り地の下を進み」
 掘り進んでというのだ。
「城の下まで至ってな」
「そこから掘り上げてですね」
「城の中に出てな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「攻め入りますか」
「そうするのだ」
「そうして攻めるのですか」
「城は城壁や城門を攻めるだけではない」
 強い声で言うのだった。
「下からも攻められるし空からもだ」
「飛べる者達を用いですね」
「攻められるしな」
 だからだというのだ。 
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