世界の礎
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第四話 海その三
「その為他者から奪うこともな」
「有り得るので」
「だからだ」
「好戦的にもなりますね」
「餓えていてだ」
即ち貧しくというのだ。
「しかもだ」
「奪わないと生きられないなら」
「そうもなる、だからな」
「彼等を豊かにしますか」
「そうするのだ、他の国と同じだ」
帝国の中のというのだ。
「豊かにする、そうなればな」
「彼等も大人しくなりますね」
イシュが応えた。
「それで」
「そうなる、抑えるのではなくだ」
「豊かにさせるのですね」
「腹を満たさせるのだ、いいな」
「はい」
イシュはそれではと答えた。
「その様に」
「それではな」
「そしてだ」
「そしてとは」
「海だが」
今度はこちらの話をした。
「我々は既にアラビアの海に面しているが」
「今後はですね」
「地中海にも面する」
この海にというのだ。
「それで船も造る」
「船ですか」
「そうだ、小さな漁船だけでなく」
そうしたものに限らずというのだ。
「大型の軍艦もな」
「造るのですか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「船乗りを育て港ももだ」
「築くのですね」
「そうする」
「次は、ですか」
「海もな」
そちらもというのだ。
「手に入れていく」
「そうされますか」
「それでだが」
ここで義青はこうしたことを言った。
「一つ考えがある」
「お考えといいますと」
「海にも魚が多くいる」
カニに話した。
「貝や他の生きもの達をな」
「食べるのですね」
「そうするのだ」
その通りだというのだ。
「獲ったものをすぐに食べるだけでなくな」
「他にもですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「干したり塩漬けにしたり燻製にもしてな」
「保存して」
「そしてだ」
「いざという時に食べますね」
「そうする様にする、また貝にだ」
この生きものにというのだ。
「蛸や烏賊や海老、蝦蛄もな」
「食べるのですか」
「そうする、海鼠や海草もだ」
「食べられるのですか」
「これがな、そのまま食べてもよく」
義青はさらに話した。
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