ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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新たな世代
前書き
悟林がお母さんになります。
そう言うのが苦手ならお気をつけを
少しGT要素あり
ブウとの闘いから十数年の歳月が過ぎた。
時間は誰しも平等に過ぎていき、ブウとの闘いの時はヤンチャな少年であったトランクスも憧れの人との交際を経て結婚し、妻になってくれた悟林の腕に抱かれている悟林にそっくりな赤ん坊。
「悟林さん…本当にありがとう」
「もう、これで何回目?これくらいなんてことないんだから…」
何でもなさそうな声をしていてもトランクスには分かる。
何時ものような力強さがなく、疲弊している。
「そう言えばこの子の名前って父さんが考えてくれたんだっけ?」
「そうだよ、お義母さんは自分が考えたいって駄々こねてたけど私はこの子にサイヤ人の名前をあげたかったんだ。結構真面目なお義父さんのことだから気合入れて考えてくれてたんだと思うよ。サイヤ人の最初の母星の惑星サダラから名前を貰ったんだ」
「サダラ…星の名前なんて凄いな…あ、でも父さんも星の名前だからおかしくないのか。それにしても悟林さんそっくりだなぁ」
娘のサダラはサイヤ人の血が濃いのか尻尾が生えているだけでなく既に髪が生え揃っており、目を開けた時に見た目の色がトランクスに似ていることを除けば悟林そっくりだ。
「ふふ、凄く嬉しそうだね。私も凄く嬉しいよ。母さんも私と悟飯を産んだ時はこんな気持ちだったのかな?」
「どうだろう?双子だしなぁ、しかも女の子と男の子なんだからお義母さんの場合は俺達の数倍の気持ちだろうね」
たった1人でもここまで胸が一杯になってしまうのだから双子で性別も違うのだから悟林と悟飯を授かったチチの気持ちはきっと自分達の比ではないのかもしれない。
そして悟林は眠っているサダラを差し出す。
「ほら、お父さんなんだからサダラを抱っこしてあげて」
「え?で、でも…」
悟林から差し出されるサダラにトランクスは慌てる。
眠っている娘に触れるとあまりの柔らかさに傷付けてしまうんじゃないかと思ってしまう。
「大丈夫、この子はそんなに柔じゃないし、トランクスより強い私でも抱けるんだよ?頑張れお父さん」
「う、うん…」
「片手を首の後ろにこうやって、もう片方の手はお尻の下に入れてね。後は胸を使って支えてあげて」
悟林の指示に従って、恐る恐る抱き上げるトランクス。
腹を痛めて産んだ悟林は既に母親の自覚が芽生えており、トランクスは少し親として置いていかれたような気がしたが、自分は自分のペースでやっていこう。
「(温かくて軽いけど重みがある。そう言えばブラの時もそうだったっけ?娘と妹でこんなに感覚に差が出るのかな?)」
トランクスのぎこちない抱き方のためかサダラがグズリ始めた。
「うあ!?」
「トランクス、私に貸して」
泣き出した娘にトランクスは慌て、悟林は不器用なところは流石ベジータの息子だと改めて感じた。
昔、人造人間との闘いでベジータが赤ん坊のトランクスを抱いた時もトランクスは泣いてベジータを四苦八苦させたことを思い出す。
どれだけ強いサイヤ人の男も自分の子供には弱いようだ。
「は、はい…」
「ふふ、抱っこの練習しようね。よしよし」
サダラを受け取り、慣れたように抱いて優しい顔と声で娘をあやす悟林にトランクスは見惚れた。
そしてサダラは直ぐに泣き止み、笑った。
サダラを泣き止ませた悟林はトランクスを見て勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「はは、悟林さんには敵わないなぁ」
「大丈夫、私だって母親として未熟なんだから、一緒にこの子の親になっていこう」
親子3人の時間を過ごし、そしてしばらくしての親族との顔合わせ。
「おお、悟林そっくりだなー」
「でも目の色はトランクス似だべ」
「何か姉ちゃんが小さくなったように見えて不思議だなー」
「でも、悟天君もブラも生まれた時も私達同じ気分だったわよ」
悟空とチチと悟天がそれぞれの感想を言い、ブルマは悟天とブラの昔を思い出しながら嬉しそうにサダラを見つめる。
「お疲れお義姉ちゃん。これからよろしくねサダラ。私のことは絶対叔母ちゃんなんて言わせないからね。お姉ちゃんで覚えさせるんだから…」
「呼び方くらい好きにさせてやれ。こいつは今でもかなりのパワーを感じる。押さえつけようとしたら酷い目に遭うのはお前だ。流石はサイヤ人王族の血を引いているだけのことはあるな、大した潜在能力だ」
「うう…っ!わ、私もトレーニングしようかな…」
まだ年齢1桁なのに叔母になってしまったブラは絶対にお姉さんと呼ばせるつもりだが、修行をしていないブラでは生まれたて時点でとんでもない潜在能力の塊のサダラを押さえつけておくのは不可能だ。
もしかしたら叔母…ではなくお姉さんとしての威厳がなくなってしまうかもしれない。
特に兄としての威厳が消滅してしまった悟飯と悟天の関係を見ていたブラは危惧し、トレーニングをしようと考え始めた。
「ブラちゃんも大変よねー」
「おめでとうお義姉さん。」
「ありがとうビーデルさん」
「それにしても姉さんもお母さんですか、正直僕は心配ですよ。この子が姉さんみたいな乱暴な人にならないかぁっ!?」
相変わらず口が軽い愚弟を悟林は殴り飛ばして病院から退場してもらったが、苦々しそうな顔で自分の拳を見つめる。
「うーん、多分今のじゃ悟飯を気絶させられてないなぁ…大分鈍ってるな…」
「お前は今は疲れている。修行は体調が万全になってからだ」
「それくらい分かってるよ。今はこの子を優先しないと」
娘の顔を見に来てくれたピッコロは悟林の修行はもう少し後だと言うと悟林も理解しており、修行はもうしばらく後だ。
それを聞いたチチは母親になったんだから大人しくして欲しいと思ったが、サイヤ人の気質が強い悟林には届かない願いだ。
「酷いじゃないですか姉さん!僕はその子の将来を心配してるんですよ!姉さんみたいにおっかなくて乱暴な人にならないかでっ!!」
「いやー悟飯ちゃんは本当に私にぶっ飛ばされるのが好きなようだね。お望み通りにしてやるよぉっ!!」
戻ってきた口の減らない愚弟を上空に殴り飛ばして指を突き出すと大爆発が起こる。
「汚ない花…」
「「汚い花火(ね)だ…」」
「何?」
ベジータが花火の感想を言う前にトランクスとブラが呆れたように花火となった悟飯に呟く。
「「え?何?」」
「いや…血は争えんと言うことか」
「「?」」
かつて自分の自称ライバルのキュイを爆殺した時の感想を息子と娘が言うとは、血は争えないと言うことだろう。
「私、もっと良い子になる」
「そうね、そうしなさい」
「はあ、学習しなよ兄ちゃん」
パンもビーデルも悟天も花火となった悟飯を呆れたように見ており、悟空とチチとブルマは孫に夢中だ。
そしてサダラは花火となった悟飯を見て楽しそうに笑っており、間違いなくサダラにもトランクス…ベジータの血が流れていた。
そしてサダラは両親が両親だからか赤ん坊の時点で超サイヤ人になれるようになっていた。
多分、赤ん坊特有の感情の昂りだろう。
それを見たチチは泣いた。
「うわーん!!サダラちゃんまで不良になっちまっただーっ!!」
「いやお母さん。赤ちゃんに不良も何もないでしょ。まあ、サダラちゃんの超サイヤ人おめでとう姉ちゃん」
未だに不良の基準が古い母親に呆れながら悟天は一応めでたいことなので祝った。
「なあ、ベジータ。サダラが超サイヤ人になっちまったぞ」
「尻尾も生えているしな、サダラの将来は約束されたような物だ」
サイヤ人の強さの象徴でもある超化が出来る上に尻尾も生えているのだ。
サダラの可能性は正に無限大だ。
そして別の未来。
どこぞの寄生生命体に体を乗っ取られてしまったベジータ。
ベジータに寄生した奴はとてつもない力で悟空と悟林を叩きのめした。
殺されるギリギリで界王神(キビト)の瞬間移動によって救われ、2人は尻尾を生やすために老界王神の修行を受けて尻尾を引き出した悟空と悟林はサダラとトランクスを伴ってリベンジに向かい、悟空とトランクスが奴と闘っている時、悟林はサダラと共に洗脳された弟達と向かい合う。
「ふふ、姉さん。どうやらこれで決まるようだね、僕と姉さんがどっちが強いのか?」
「どっちが強い?ふ、ふふふふ…」
「!?な、何がおかしいっ!?」
「あのねぇ、悟飯ちゃんは一度でも組み手で私に勝てたことあったっけー?正直身に覚えがないんだよねー。まあ、お前は勉強は出来るけど馬鹿だし、弱い奴は良くほざくけどねー」
「何言ってんの!?伯母さん自分の立場分かんないわけ!?ほーんとサイヤ人って馬鹿なんだから!パパ、伯母さんなんてさっさとやっつけちゃってよ!私、伯母さんなんて大嫌い!!」
「その通りだ!舐めるなよ姉さん!双子だから姉さんはツフル人にしてもらおうと思ったけど気が変わった!覚悟しろサイヤ人…ふおおおっ!?」
言い切る前に悟飯にラリアットを叩き込んで岩盤に叩き付けるとクレーターが出来上がる。
そして岩盤に頭を何度も叩き付けられ、頭から大量の血を流した悟飯はあっさり気絶した。
「私が宇宙に行ってる間修行してないと思っていたの?お前みたいな中途半端野郎じゃないんだよ馬鹿。さて、パンちゃん。待たせてごめんね、今度はパンちゃんの番だよー」
「くっ!舐めないでよねサイヤ人の癖にっ!何時も何時も私にお説教する伯母さんや赤ちゃんの頃から超サイヤ人になれるからってみんなからチヤホヤされるサダラなんか大嫌いよっ!!」
「え?パンちゃん、サダラのこと嫌いなの?ふーん」
元々パンに対して世話の焼ける従姉妹くらいの感情しかなかったのでサダラにとってパンに嫌われようが痛くも痒くもないのだが。
「いや、お説教に関してはパンちゃんが余計なことするからでしょ?それにサダラに関しては私とトランクスの子供だからね。仕方ないね、私とサダラは別にパンちゃんに嫌われようが痛くも痒くもないし。うーん、パンちゃんはどうしようかなー?起きてたらぎゃあぎゃあうるさいし、黙らせるために花火にしようか」
花火
その単語を聞いたパンは底知れぬ恐怖が全身を襲うのを感じた。
何せ父親が何度も花火にされてるのを見たのだ。
真っ黒焦げになって倒れ伏している父親の姿を思い出して逃げ出そうとするパン。
「パンちゃーん、遠慮しなくていいんだよ? 逃 が さ な い からね?」
逃げ出したパンの前に回り込み、上空に殴り飛ばすとパンに指を突き出して大爆発が起きた。
「「パ、パンちゃーんっ!!!」」
花火にされたパンを見た悟天とブラが叫ぶ。
「わあ!汚い花火!!」
「あらら、本当。父親に似て汚い花火だこと」
姪のパンにも一切の容赦がない悟林と母親の容赦のなさに対して恐怖するどころか笑うサダラに戦慄する2人はパンの元に駆け寄り、一応生きているが闘える状態ではない。
唯一闘えるサイヤ人は悟天だけだ。
「ブラちゃん、君は離れてブルマさんに報告を。この状況を何とか出来るのはあの人だけだ」
「う、うん!」
ブラが逃げ、悟天はサイヤ人に対して決死の抵抗をするために超化して超サイヤ人になると悟林に特攻を仕掛け、トランクスは妻と娘がサイヤ人らしく暴れていることに気付かず、悟空と共に闘っているのであった。
後書き
いつの間にかチャラくもしっかりしている末弟ポジションを確立している悟天
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