ドリトル先生の長崎での出会い
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第五幕その八
「日本では魔女は存在しなくてね」
「魔女狩りもなかったね」
「全くね」
「そうしたことしなかったね」
「あんなおぞましいことは」
「魔女狩りで利益を得た人もいなかったね」
こうした人もいたというのです。
「それもイギリスで有名な人がいたし」
「マシュー=ホプキンスだね」
「誰でも魔女だって言って惨い拷問や処刑をして」
「魔女を見付けたらその人の周りから報酬を貰う」
「とんでもないお金儲けをしていたね」
「こんな酷い人もいなかったよ」
日本にはというのです。
「若し魔女がいても念入りに調べて」
「何もしていないならよしだね」
「当時の日本だったらね」
「そうしていたよね」
「大可越前も遠山の金さんもだよ」
こうした名奉行と呼ばれる人達もというのです。
(魔女だっていう人がいたら」
「まずは念入りに調べて」
「何もしていないならよし」
「無実なら」
「それで終わりだね」
「若し魔女でもだよ」
そうであってもというのです。
「人の役に立つならね」
「それならよし」
「そうなっていたよね」
「日本なら」
「そうだね」
「そもそもだよ」
先生はさらにお話しました。
「魔女狩りで言われるみたいなとんでもない魔法使うならだよ」
「魔女っていう人達がね」
「疫病や災害起こしたりね」
「ありとあらゆる悪事を出来るなら」
「捕まらないよね」
「そんなの普通の人に見破れる筈がないよ」
魔女に言われる様な力があればというのです。
「捕まえようとしてもね」
「逃げられるよね」
「簡単に」
「箒でお空飛んだり小さな生きものになったりして」
「素早くね」
「絶対にそうなるよ」
皆に理知的にお話しました。
「そんなことは簡単にわかるね」
「そうだよね」
「考えてみれば」
「もうね」
「そうなるからね」
だからだというのです。
「そもそもがね」
「おかしいよね」
「魔女ってね」
「そんな凄い魔法使えるなら」
「魔女狩りなんて何でもないわ」
「楽々逃れられるよ」
「そうなるのがね」
まさにというのです。
「当然だよ」
「全くだね」
「日本ならそう考えてだね」
「魔女狩りなんてしなかった」
「異端審問だってね」
「しなかったよ、そこまで考えると」
そうすると、というのです。
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