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本当の貧乏とは

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第二章

「心なしね」
「痩せていたのね」
「お金がない分ね」
「そこに出ていたのね」
「ええ、いつも何処かでお金がないってね」
「頭にあって」
「食べていても」
 そうであろうともというのだ。
「食べる量にね」
「影響出ていたのね」
「それに毎日アルバイトもして」
「学校に通って」
「そんな生活で余裕もなかったし」
「あっ、精神的に」
「それでよ、お金がないことは受け入れていても」 
 そうであったがというのだ。
「やっぱり心の何処かでね」
「お金がないっていつも思っていて」
「それが出ていたのね、本当に貧しいっていうのは」
 それはというと。
「いつもそうしたこと思っていて」
「心に余裕がないことね」
「あの時はそのことに気付かなくて」
 自分ではというのだ。
「わかってもいなかったけれど」
「気付かないとわからないわね」
「ええ、けれどね」
「今はわかったのね」
「そう、本当に貧しいってことは」
「心に余裕がない」
「けれど人を馬鹿にしたしひがんだりね」
 ここで茉莉也はこうも言った。
「貧乏だからって」
「他の人をそう言ったり他の人をそう思ったり」
「そうしたことはね」
「もっとよね」
「ええ」
 まさにというのだ。
「貧しいわ」
「そうね」
 清音もまさにと頷いた。
「その通りね」
「そうなったらね」
「もう嫌になるわね」
「後で自分がそうだったって気付いたら」
 その時はというのだ。
「そうなるわ」
「後悔して反省してもね」
「やっぱりね」
「凄く嫌な気持ちになるわね」
「自分はそうだったって。気付かなくても」
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「嫌な気持ちになるわね」
「ならない筈がないわ」
 それこそというのだ。
「その時はね」
「それで気付かないなら」
「そうした貧しいままで」
「余計にね」
「嫌なことよね」
「本当に気付かないなら」
「こんな悪いことはないわね」
 こう話すのだった。 
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