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ドリトル先生の長崎での出会い

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第五幕その二

「本当にね」
「そうした意味でも平和で」
「のどかなものだったんだね」
「江戸時代の日本は」
「おおむねそうだったんだ」
「けれどね」
 それがというのです。
「島原、島原藩では違っていて」
「とんでもない悪政が行われていたんだ」
「呆れる位のものだったんだ」
「そうだったんだね」
「そう、賦役や刑罰も酷くてね」
 そうしたものもというのです。
「本当にね」
「時代劇みたいな悪政で」
「領民の人は苦しんで」
「それでなんだ」
「暮らしていけなくてね」
 そうした状況に陥ってというのです。
「飢饉もあったし」
「ああ、それだとね」
「余計に辛いね」
「飢饉まであったら」
「尚更ね」
「そこに切支丹の人達への弾圧もあってね」
 そうしてというのです。
「起こった叛乱で」
「物凄かったんだよね」
「江戸時代で幕末を除くと最後の戦いで」
「三万七千もの人達が叛乱に加わった」
「物凄い戦争だったね」
「そう、そしてね」
 そうであってというのです。
「叛乱に加わった人は殆ど皆死んだんだ」
「凄いことだね」
「日本でそんな戦い滅多にないよね」
「大抵負けた相手は自分達に加えて」
「戦力にするからね」
「そう、織田信長さんだって降伏すれば」
 この人もというのです。
「許して家臣にしてね」
「兵の人達はそのまま兵にして」
「そうしてだね」
「戦っていたね」
「そうだったね」
「そう、本当にね」
 実際にというのです。
「降ればよしだったから」
「何か伊達政宗さんが城兵を皆殺しにしたっていうけれど」
「お城にいる人達皆ね」
「撫で切りにしたっていうけれど」
「その実は」
「政宗さんがそう言ってるだけでね」
 先生はそれでとお話しました。
「実はね」
「ただの宣伝で」
「政宗さんは自分は怖いぞと言っているだけで」
「戦えばこうなるって脅していて」
「その実はだね」
「そうしたことをしていなくて」
 その実はというのです。
「やっぱり政宗さんもね」
「降ればよし」
「そうしたお考えだったんだね」
「敵は徹底的に滅ぼさない」
「そうだったんだ」
「そうだったみたいだしね、だからね」 
 それでというのです。 
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